2・1へ準備万端!!

 右肘手術から復帰を目指す阪神西岡剛内野手(30)が、今春の沖縄・1軍宜野座キャンプからのスタートを内定させた。16日、西宮市内のホテルで行われた合同スタッフ会議で方向性が定まった。昨季の開幕直後に肋骨(ろっこつ)骨折などの重傷を負い、11月には右肘も手術。リハビリで順調な回復を示しており、1軍始動が決定的だ。全快は近づき、上本と二塁の定位置を巡って火花を散らす。

 ボロボロに傷ついた昨季の悪夢と決別する。開幕直後に肋骨(ろっこつ)を骨折して、左肩鎖関節を脱臼し、昨年11月には右肘にもメスを入れていた。この日の夕方から行われた合同スタッフ会議では、西岡の術後経過も議題に上がっていた。現状を把握した和田監督が見通しを説明する。

 「良好なんじゃないのかな。この1週間でメドが立つから、メドが立ったところで、慎重に(2軍キャンプで)いくのか、(1軍キャンプで)いこうとなるのか。もちろん、普通にできるなら沖縄でとなるだろうけど、まだ決定じゃない」

 指揮官は慎重な口ぶりだったが、明るい光が差し込んでいる。西岡は7日から西宮市内で日本ハム中田らと自主トレを開始。約30メートルの距離でキャッチボールを行い、鋭い振りでティー打撃もこなすなど、順調な回復を示した。14日には大阪府内の病院で受診。リハビリに付き添う権田トレーナーも「術後2カ月の経過は良好。可動域もほぼ改善されて、普段通りに近づいている」と太鼓判を押す。寒い2軍安芸よりも、暖かい沖縄の方が回復も進む。1軍キャンプ参加を阻む要素は現時点で見当たらない。

 この日は休養を取り、今日17日から本格的な練習を再開する。順調にトレーニングを消化できれば、23日のコーチ会議で晴れて1軍キャンプ参戦が正式決定する。今後はプライドをかけた戦いが待つ。鳥谷の残留が決まり、上本と二塁のレギュラーを競う一騎打ちの構図だ。「セカンドでという自分の気持ちを持っている。心のなかでは控えでやるつもりはさらさらない」と闘志もあらわにする。

 激戦を制するためにも、1月下旬は米ハワイで総仕上げに臨む。一、三塁間の距離や40メートル程度のステップスローなど送球の強度を上げるのもテーマだ。権田トレーナーは言う。「打つことは2月1日から十分、フリー打撃でも問題なくいける」。厳しい寒さのあと、春は必ずやってくる。【酒井俊作】<西岡の右肘故障経過>

 ◆14年6月27日

 中日戦で、開幕3戦目の巨人戦以来の1軍戦。スタメンで1番三塁。

 ◆同29日

 中日戦出場も、右肘に違和感。以降スタメン落ちが増えた。

 ◆7月23日

 出場選手登録を抹消。

 ◆8月5日

 鳴尾浜でリハビリ開始。

 ◆9月5日

 ウエスタン・リーグ広島戦に1番DHで実戦復帰。

 ◆同11日

 巨人戦で1軍復帰。公式戦閉幕まで、出場12試合はすべて代打。

 ◆10月11日

 CSファーストステージ広島戦(甲子園)でスタメン復帰。以後CSと日本シリーズ全11試合で先発出場。

 ◆11月11日

 右肘の遊離軟骨除去手術を受けた。

 ◆12月23日

 甲子園室内練習場で打撃練習とキャッチボールを再開。西岡は、担当の権田トレーナーに「打つ方はまったく問題ない」と好感触を報告。

 ◆15年1月7日

 自主トレを公開。手術後初めてキャッチボールなどを披露。「2月1日に試合をできる体作りをしてキャンプに入りたい」。