【ホノルル(米ハワイ州)18日(日本時間19日)=浜本卓也】巨人菅野智之投手(25)が、ハワイ自主トレに同行中の松本竜也投手(21)に「心技体」の助言をした。「能力はある」と見込んで1軍未経験の左腕を誘い、親身にアドバイスしている。菅野は12年ドラフト1位で、松本竜は11年の1位。「ドラ1コンビ」結成となればチームにとって最高の追い風となる。

 ハワイ自主トレは総仕上げの段階に入る。菅野は「日常生活でもグラウンドでも何か感じてくれれば」と、松本竜への親心を見せた。1軍への足がかりをつかみたい左腕と寝食をともにする中で、気付いた点をときに厳しく、ときに諭すように指摘していった。

 (1)心=生活

 あいさつなどの声が小さいことが気になった。「社会人としての態度は野球にもつながると思う。ちゃんとしないと」と心を鬼にし、その都度、苦言を呈している。松本竜は「その通りだと思います」と肝に銘じている。

 (2)技=球種

 変化球の精度を上げれば、投球の幅が広がると見ている。スライダーの握りと投げ方を教え、キャッチボールで試投を繰り返させている。今日19日からの最終クールでは「投げ方を見るとツーシームの方がいいかも」(菅野)と、違う球種を新たに伝授する考えも口にした。

 (3)体=食事

 193センチながら85キロとやや細い松本竜に「もっと食べて体を大きくした方がいい」と食事では量を多く取らせている。菅野も大田もよく食べて、よく練習し、1軍の猛者と戦う肉体を作り上げている。その姿を目の当たりにした松本竜は「頑張って食べます」と、一生懸命はしを動かしている。

 菅野は11年ドラフトで巨人に1位指名されるも入団がかなわず、代わって松本竜が1位指名された縁がある。練習をともにする大田も08年のドラフト1位だ。ハワイの「ドラ1位トリオ」が巨人の推進力となる。