さあキャンプ地入りだ。阪神藤浪晋太郎投手(20)も万全の状態で、今日27日から合同自主トレを行う沖縄に移動した。開幕投手を争うエース候補は過去2年間のキャンプを振り返って「もう少し投げたかった」と告白。3年目となる今年のキャンプは打撃投手、シート打撃も含めた「実戦マウンド漬け」になることを予告した。

 2月の宜野座球場で藤浪がマウンドに上がる姿が何度も見られそうだ。3度目となる沖縄への出発を控えた右腕は落ち着き払った様子で、冷静にキャンプでの青写真を語った。テーマはずばり「実戦漬け」だ。

 「早い時期にとかではなく、できるだけ実戦はやりたいなと思っています。いつ投げるかはわかりませんが、投げろと言われたら困らない状態にしておきたいです」

 これまで通り、数多くの実戦登板を望んだ。新人だった13年は投球制限があり、昨年も対外試合初戦は2月25日だった。3年目で立場もエース候補、開幕投手候補となった今季は調整から1歩段階を上がって、多くの実戦の中から新たな発見をしていくつもりだ。

 「チームの事情もありますので、自分のわがままばかり言うわけにもいかないですけど」

 対外試合の数は限られ、チームの方針が最優先だ。スケジュールは中西投手コーチとの話し合いで決まる。ただ藤浪の言う「実戦」は試合だけではない。打撃投手やシート打撃など、打者を立たせて投げることを望んでいるという。

 「自分の中では一番、調整として、てっとり早いと思っています。できるだけ多くやりたい。1年目は新人ということでブレーキをかけられていましたし、去年もそんなに多くなかった。もう少し投げたかったというのが、ここ2年間ですね」

 臨時コーチの江夏豊氏は7日までの滞在予定だが、猛虎が誇る伝説エースの前で打者に投げる機会もあるかもしれない。今日27日からは沖縄合同自主トレがスタート。状態次第で初日からいきなりブルペンで投げる可能性もあるという。

 「強い球を投げられる状態にはあるので。あとは傾斜に慣れるだけ。肩自体はできているので、あとは感覚の問題です」

 東京での広島前田との合同トレ中に投球練習を始めており、完全にエンジンは暖まっている。藤浪が腕まくりで沖縄入りした。【鈴木忠平】