ロッテは26日、昨季限りで現役を引退した里崎智也氏(38)のスペシャルアドバイザー(SA)就任を発表した。地域振興、ファンサービス、営業など、さまざまな球団活動にアドバイスしてもらう。山室球団社長は「プロ野球界でも屈指のエンターテインメント性を持つ選手。日本一魅力ある球団を目指す私たちとしては、独創的なアイデアでいろいろとアドバイスいただきたい」と期待をにじませた。

 山室社長の言葉どおり、里崎氏はファンサービスのアイデアマンだった。試合後に球場正面ステージで熱唱したり、ディナーショーを行ったり。軽いフットワークでファンを魅了してきた。今季は同社長の発案で「月1回のファン感謝デー」も計画されている。里崎氏のアイデアが生かされる機会は多い。

 SA就任の背景には、観客動員の低迷もありそうだ。ロッテは、昨季まで2年連続で12球団最少を記録。14年は前年より4万人近く減って、122万3915人。12球団トップの巨人(301万8284人)はおろか、リーグトップのソフトバンク(246万8442人)にも大きく水をあけられた。山室社長は「(里崎氏には)スポンサー企業を中心に、講演活動やトークショーなどでも活躍してもらいたい」と、直接的な営業活動にも期待している。現役、OB、球団が一体となり、千葉を盛り上げていく。【古川真弥】

 ▼里崎氏のファンサービス

 毎年のように斬新なアイデアで活動してきた。05年、06年は千葉での試合後、球場正面ステージでマイクを握った。昨年9月の引退試合で久しぶりにステージに上がり、SMAPの「ありがとう」をファンと熱唱。ステージ前に約5500人が駆けつけ、球場内には約1万2000人が残り、ライブを見届けた。06年は、毎日ブログを更新。08年オフと昨年末は、ホテルでディナーショーを行った。