♪よー見る、よー見る-。中日のドラフト1位野村亮介投手(21=三菱日立パワーシステムズ横浜)が「吉見ウオッチ」に励む。26日、沖縄合同自主トレに参加する55選手が当地入りした。南国に足を踏み入れ、ワクワク感と緊張感を高めた右腕は大きな楽しみを口にした。

 「吉見さんを見てみたいです。自分のことで精いっぱいかもしれませんが、いろいろと吸収したい。お手本にしたいです」

 社会人時代から、他の人のブルペン投球を観察するのが好きだった。野村には特に目標や憧れの選手がいないが、その中で名前を出したことがあるのが吉見一起投手(30)だ。「昔の投球を見ても捕手が構えたところにピシャっとくる。すごい制球ですよね」。自らも制球を武器とする。時間を長く共有できる1カ月の沖縄滞在で、うってつけのお手本を追いかけない手はない。もんげー(すごい)制球力の極意を吸収する。

 これまでナゴヤ球場ではあいさつ程度。キャッチボールでも距離が離れていたため観察できなかった。かつて5年連続10勝の絶対的エースだった吉見は練習の意識が高いことでも有名。ブルペンだけでなく、目に入るものすべてが野村の血肉になるに違いない。

 宿舎の同部屋は同学年の西川に決まり「気持ちは楽です」。思いきり自分磨きできる環境は整っている。

 「2月14日に体を合わせて、どこでも投げられるようにしたい」。同日は対外試合初戦の韓国・サムスン戦(北谷)がある。最初の設定はそこでの先発。野村のプロ生活がいよいよ本格スタートを切る。【柏原誠】