阪神マウロ・ゴメス内野手(30)が2月1日のキャンプインに間に合わない可能性が出てきた。球団によれば現地時間26日の朝、ドミニカ共和国内の自宅駐車場で車上荒らしにあってパスポートの入ったバッグを盗まれたという。きょう28日に来日予定だったが、延期となり、今後は31日に沖縄入りできるよう調整するという。昨年は夫人の出産で合流が遅れたゴメスは今年、キャンプインへ万全を期していたが、思わぬトラブルに見舞われた。

 球団によれば、ゴメスは現地時間26日の朝、ドミニカ共和国内の自宅駐車場で車内にあったパスポート入りのバッグを盗まれた。その他、盗まれたものは不明だという。ゴメスはきょう28日の朝、来日予定だったが、それも延期。今後は31日にキャンプ地・沖縄入りできるように調整する方針だという。

 「今朝、本人から担当者に連絡がありました。手続き上のこともありますが、31日に来日できるように努力しているところです。事故や故障ではないので、早く元気な顔を見せてくれることを願っております」

 高野球団本部長はこうコメントを発表した。ゴメスは来日1年目となった昨年、キャンプ合流が大幅に遅れた。その後は遅れを取り戻そうとしたが、右膝に違和感を訴えたことでオープン戦での調整に支障が出た。結果的に4番として143試合に出場し、打率2割8分3厘、26本塁打、109打点で打点王のタイトルを獲得したが、2年目となる今年は万全の調整で2月1日のキャンプインに備えていた。それだけに、災難としか言いようのないトラブルに見舞われた。

 パスポートを紛失した場合、日本では再発行に約1週間かかる。高野本部長の言葉通り、31日の沖縄合流へ向けて全力を尽くす方針だが、間に合うかどうかは不透明な状況だ。阪神は昨季、メッセンジャー、呉昇桓、マートン、ゴメスの助っ人4選手が史上初めて全員タイトルを獲得した。今オフは結果として補強なしに終わっただけに、外国人選手にかかる期待は大きい。球団関係者も「外国人選手はみんないい状態で2月1日に(沖縄に)来られると思う」と手応えを口にしていた。

 また、和田監督も「4番を打つだろう。30発は普通に越えてくるんじゃないかな」と昨年を超える成績を期待しており、掛布DCも「彼が一番気になる選手。どういう状態でやってくるのか楽しみでもあり、不安でもある」と今季のキーマンとして挙げていた。それだけに主砲が見舞われたトラブルは想定外。1日でも早い解決を祈るしかない。【鈴木忠平】

 ◆ゴメスの昨年開幕前のドタバタ

 2月6日にキャンプ参加の予定だったが、1月に生まれた長女が体調不良のため入院。予定から4日遅れの2月10日に来日した。翌11日から練習に加わったものの、19日に微熱を出して宿舎で休養し、20日紅白戦も欠場。23日にはオープン戦中日戦(北谷)にチーム同行も、右膝周辺の張りで試合直前に離脱。3月15日教育リーグ中日戦(ナゴヤ)にようやく実戦デビュー。以後実戦8試合だけで開幕を迎えた。<過去の虎選手被害>

 ◆88年5月、仲田幸司投手宅を男が訪れ「阪神百貨店の者ですが、バットとグラブの代金15万円が払い込まれていません」と言って玄関を開けさせた。夫人が男を家に入れて話していたところ、電気コードで手足を縛って風呂場に押し込み、室内を物色。キャッシュカード2枚を奪って逃げた。

 ◆06年11月、藤本敦士宅をスポーツメーカーの社員を装った男が訪問。応対した夫人に「藤本選手からグラブを修理するように言われた」と話し、グラブ1個(約5万円相当)をだまし取った。

 ◆10年6月、中村豊2軍コーチが滞在先の姫路市のホテルで交流戦用のユニホームを盗まれた。クリーニング回収用袋にユニホームを入れた後、ミーティングに参加。戻ってみると上着だけがなくなっていた。