阪神和田豊監督(52)が正捕手筆頭候補・梅野隆太郎捕手(23)に400本ノックで勝利への執念をたたき込んだ。12日の全体練習後のサブグラウンド、指揮官がノックバットを握った。目の前には梅野1人。300本、捕球するまでの“鬼ノック”が始まった。

 「捕れ!」

 激しいかけ声とともに右へ、左へ打ち分けた。

 「チャンスボールだ」

 44本目、86本目など、背番号にちなんだ節目には不規則に跳ねる変則ボールを打った。必死に飛びつき、泥だらけになった梅野。約400球を打ったところでようやく終わった。

 和田監督

 (手の皮が)べろん、べろんや。痛いんだよな。監督になって最多?

 そうかもしれないな。執念だよ。どっちかがへばるまでや。あいつ、強いよな。痛み分けや。どっかでやりたいと思っていた。それが今日だった。

 ノックバットを振り続けた和田監督は顔をしかめた。それだけ激しいノックだった。技術、体力もそうだが、最大の狙いは今季のキーワードに掲げた勝利への執念を注入することだったという。最後まで食らいついてきた梅野をほめた。

 梅野

 何とか負けないようにと。何本とか関係なく、一生懸命にいきました。ただこれがすべてではないんで自分のポジションにいかせるように。精神的な強さをこういう練習でつけていかないと。

 1年目の昨季はシーズン途中にスタメンに定着したが、最後は息切れしてポストシーズンはベンチだった。今季は正捕手候補の1番手。たくましくなれという指揮官のメッセージを体で受け止めた。【鈴木忠平】