巨人打線が宮崎で「野性味」を磨き上げた。15日の紅白戦は両軍合わせて28安打。13日の計33安打に続いての大当たりで、宮崎キャンプを打ち上げた。若手、ベテラン関係なく直球への対応力がアップ。早いカウントの直球をけれん味ないライナーに変えた。2月中旬にしては珍しい活気に、原監督は「どちらかというと打高投低。真っすぐに対してファウルとかがなく、はじき返している。野性味、続けてほしい」。視察した長嶋終身名誉監督も「野手の方は出来上がっているな。投手よりも打線に軍配だ」と、えびす顔で球場を後にした。

 ワイルドさが増した陰には“球道くん”の存在がある。昨季終了直後、教訓から直球への対応力を今季の課題に設定。キーワードを「野性味」と掲げた。今キャンプは昨秋の練習で導入した160キロの超高速打撃マシン(通称・球道くん)との対決を日課とした。最初は金属バットで立ち向かったが、徐々に木のバットを使う選手が増え、目が慣れ、反応も打球も鋭くなっていた。菅野や新外国人2人、マシソンらが誇る重厚な球も全く苦にしなかった。新主将の坂本も計4安打。「結果が出たので良かったんじゃないですか。体が開かないできれいに打てた」と、第1クール別調整の遅れを完全に取り戻した。

 沖縄では11日間で6試合をこなす。実戦の中で、変化球、クイックモーションなどに対応する力を高める。原監督は「高速マシンの効果がどこかでプラスになっているのかなと思う」と手応えを感じつつ、「練習でできることが、試合でできない。そんなに悲しいことはない。三振を恐れる必要は全くない。実戦から修正をして、自分を疑わず、結果につなげられればいい」と注文も出した。荒ぶる土台を研いでいく。【浜本卓也】