東京6大学リーグの慶大が、来秋ドラフトを席巻するか-。17日、横浜市内で練習納めを行った。最速155キロ右腕、福谷浩司投手(3年=横須賀)、エース左腕の竹内大助投手(3年=中京大中京)、新主将の山崎錬内野手(3年=慶応)がそれぞれ「プロ宣言」した。ドラフト制以降、慶大では2人同時指名は複数あるが、一挙3人指名となれば同校では史上初になる。

 三本締めで1年を締めくくった慶大3人衆は、来年への思いを包み隠すことなく言い切った。来秋ドラフトの目玉候補、福谷は「プロに行きたい」、竹内大と山崎錬も「(プロ希望は)もちろん」と即答した。

 福谷は最速155キロの速球に100キロを割るスローカーブも併せ持ち、先発、抑えもこなす右腕。理工学部の頭脳派だけに、希望進路にはスカウトも注目。高校時代にもプロ志望届を提出したが、プロに進みたいという意思表示ではなかった。周囲がプロと騒ぐ一方で「絶対に指名はない」(福谷)ということを証明するために、あえて出したという。だが、今は違う。6月に大学日本代表入りし、気持ちが傾いた。「代表に入って区切りがついた。1つでも上の順位で行きたい」と明言する。

 昨年4月の東大戦でリーグ史上22度目のノーヒットノーランを達成した竹内大は、伸びのある直球にスライダーなどコンビネーションで勝負するタイプで、早くもオリックスなどがリストアップ。「直球の球速を、表示でも打者の体感でも上げるようにしないと」と自ら課題を掲げる。

 パンチ力に定評のある山崎錬は、阪神1位の伊藤隼太(22)とともに二人三脚で練習を続けてきた「弟分」だ。あるスカウトからは「スイングは伊藤以上」との声もある。今月初旬の大学代表候補合宿に初招集され「レベルはかけ離れていない」と自信を深めた。

 慶大では02年に3人指名(表参照)があるが、大学からは2人が最多。65年に巨人から指名された江藤省三監督(69)は3人が候補に挙がることについて「(チーム内での)周りのモチベーションは上がる。そういう意味ではありがたい」と期待をかけた。【清水智彦】