<東京6大学野球:明大11-0東大>◇第1週初日◇15日◇神宮

 昨秋王者の明大が東大を下し、大勝発進した。初の開幕投手となった山崎福也(さちや)投手(2年=日大三)が7回1安打無失点。エース野村(現広島)が抜けた穴をしっかり埋めた。法大-慶大は延長10回で1-1の引き分け。けがが心配された慶大・福谷浩司投手(4年=愛知・横須賀)は救援で登板。法大は三嶋一輝投手(4年=福岡工)が完投した。

 山崎は緊張の面持ちで開幕マウンドに上がった。最速144キロと直球が走り、変化球も切れた。6回1死から両ふくらはぎがつってベンチに下がったが、塩と水分を補給し、ストレッチをして再登板した。8回の打席で高校の後輩、高山を代打として送られたが、7回まで1安打1死球と完璧な投球。「真っすぐがコースに決まりました」と笑顔を見せた。

 明大の開幕投手は、昨秋まで野村が6季連続で務めていた栄誉ある役割だ。オープン戦から好調を維持。4日前にブルペンで善波監督に伝えられてから「一応準備してましたが、びっくり」と緊張は解けなかった。それでも中学3年で脳腫瘍の手術を乗り越え、現在も年3度の検査を受けている左腕は「あの時のことを考えると普通に生活できることが幸せです」とポツリ。10年のセンバツ準優勝投手は、大舞台に強い。

 この日は投手ながら6番に入るなど、高校通算20本塁打の打力も魅力だ。第4打席は「後輩に打たせてあげたかった」と快く代打に応じ、高山には「いつも通り頑張れ」と助言を送った。今後は「任された試合はしっかり打って、しっかり投げたい」と、投打二刀流での活躍を誓っていた。【斎藤直樹】