<東京6大学野球:早大14-2法大>◇第5週最終日◇13日◇神宮

 早大が法大を大差で破り開幕から6連勝、勝ち点3として単独首位に立った。先発した吉永健太朗投手(1年=日大三)は入学後最速の143キロをマークして、7回を3安打1失点。連続無失点は18イニングで止まったが、打線の援護も受けて無傷の3連勝とした。早大1年生の開幕3連勝は、07年の斎藤佑樹(現日本ハム)以来。

 試合開始早々、吉永が過去2試合とは違う投球を見せた。先頭多木に速球だけで勝負を挑む。142キロ、142キロ、143キロ。3球目には入学後の最速を記録し、6球目の141キロで空振り三振に仕留めた。吉永は「ブルペンで良かったんでストレートで押そうと思いました」と説明した。

 先月29日の立大戦で3安打完封し2連勝としたが、納得していなかった。最速は139キロだった。「このままじゃ、いずれ打たれます」と話していた。昨夏の優勝投手は最速149キロを誇り、プロも注目した。その球威が戻らない。立大戦後、フォームをチェックし右肘が下がっている自分を見つけた。実は投球後、体が一塁方向へ流れるのを止めようとするうち、ついつい肘が下がっていた。「去年の甲子園前も肘を上げるようにしたら球威が出るようになったんです」という。

 再び投球後に体が流れる心配があるが、吉永は「リーグ戦はフォームより、抑える方が優先です」と言い切った。4回に速球を捉えられ無失点が止まると、後半は緩いカーブ、シンカーも交えた。「ゼロで抑えたい気持ちがあったんで、悔しい。でも記録よりも勝利ですから」。日大三同期の畔上にも投げ勝った右腕は、チームの勝利を第一に投げ続ける。【米谷輝昭】