<札幌6大学野球:道都大3-2札幌大>◇第2節第5日◇24日◇札幌円山

 道都大が札幌大を破り、3季連続8度目のリーグ優勝を飾って春3連覇を果たした。1-1の7回裏1死満塁から、2番茶畑晃二塁手(4年=恵庭南)の中越え2点二塁打で勝ち越しに成功。8回から救援したドラフト候補のエース西藤昭太(4年=鵡川)は1点を許し、9回も2死二塁のピンチを迎えたが、最後は三振で締めた。山本文博監督(57)は「粘り強いゲームが出来た。4年生が最後の意地を見せてくれた」と目を細めた。

 背番号18は感謝の気持ちをボールに乗せた。今季本調子でない西藤は開幕戦同様、最終戦の先発も後輩に譲った。それでも山本監督は、胴上げ投手はエースと決めていた。「最後を自分に行かせてくれたのがうれしかった」。終盤2イニングを2安打1失点にとどめた。

 試合終了と同時にマウンドに駆け寄るナインと、その中心にいた西藤の目からは涙がこぼれた。「工藤や茶畑の顔を見たら、いろんな思いがこみ上げてきて…」。ともに過ごしてきた4年生と抱き合って男泣き。勝って泣くのは初めてだった。主将の工藤研太遊撃手(4年=駒大苫小牧)は「西藤を信じているんで。最後投げ切ってくれて、さすがエース」とたたえた。

 次の舞台は、3年連続6度目の出場となる全日本大学選手権(東京・神宮ほか)。昨年は現オリックス佐藤がチームをけん引した。「スター選手はいない。小粒だけどまとまりがあり、得点力のあるチーム」と山本監督。西藤は「自分の力をしっかり出せるように集中したい。ベスト8以上は目指したい」と語気を強めた。開幕6月11日の1回戦で、史上初対決となる北海道6大学の覇者(未定)を迎え撃つ。【保坂果那】