<明治神宮大会東北地区大学代表決定戦:富士大8-1日大工学部>◇25日◇1回戦◇仙台市民球場

 富士大(北東北2位)の4番山川穂高主将(4年=沖縄・中部商)が西武2位指名を受けたドラフト後初打席で先制二塁打を放ち、存在感をアピールした。1回裏、無死満塁から左中間に走者一掃の3点適時打。チームは8-1の8回コールドで日大工学部(南東北2位)を下し、連覇に向けて好発進した。

 ドラフトから一夜明け、山川がプロ指名選手の実力を示した。初回の第1打席に巡ってきた無死満塁の好機。カウント2ボール1ストライクから振り抜いた打球はあっという間に左中間を抜き、走者全員が生還した。後続の適時打で4点目のホームも踏んだ山川は「いつもどおりにセンター方向を狙って打っただけ」と平然と振り返った。

 寝不足だった。西武2位指名を受けた前夜は、携帯電話が鳴りっ放し。メールやフェイスブックを含め200件以上の祝福を受けた。指名直後の試合だけに、青木久典監督(40)もメンタル面で心配。「どっちかなとは思っていたが、逆に伸び伸びとしていて打席の中で余裕があった」と主砲の活躍を評価した。

 その後は敵失と2四球を選び4打席すべてで出塁。気負うことなく、チーム打撃に徹した。秋の神宮に向け、北東北勢初の2年連続出場を狙う。プロ入りする山川への警戒が強まるのは必至だ。山川は「真っ向勝負で負けるのは仕方ない。しっかりと勝負してくれるとうれしい」。さらに「(神宮まで)あと3試合。このチームで1つ1つが最後なので、後悔しないプレーをしたい」と“アマ最後のシーズン”に集中する。【佐々木雄高】