社会人野球のヤマハが13日、浜松市内の同社で今季新人選手の会見を行った。即戦力として期待されるバッテリーと内野手2人の計4人。そのうち、3年ぶりに高卒新人となったPL学園の前野幹博(よしひろ・3年)と、九州国際大の河野(こうの)拓郎(4年)はともに左打ちの大型内野手。将来の二遊間コンビとして、レギュラー争いに食い込むことを宣言した。

 緊張した口調ながら、力強い言葉が飛び出した。会見に臨んだ4人の選手が抱負を述べる。最年少の前野は前を見つめていた。「1日1日を大切に。打撃の飛距離には自信がある。日本一に貢献すればおのずと結果がついてくる」。

 PL学園1年の5月に5番左翼で練習試合に先発。見守ったプロのスカウトが「(現阪神の)福留に似ている」と評したほどだ。同年夏の大阪府大会では準々決勝で敗退したが2号を放った。1年の大会2アーチは同校OBの清原和博氏、福留に並ぶ偉業だった。本人も「20本打ってるが、1年夏の負けた試合で打った本塁打がいちばん印象に残っている」と話す。不祥事による本年度の対外試合禁止で「試合に飢えている」とも話した。

 河野は九州6大学野球で打撃タイトルを獲得してきた。「チャンスで集中力のある打撃を見てもらいたい」と実績に裏付けられた自信を明かした。1年で首位打者、2年で本塁打王、3年で打点王となったが、全国大会に縁がなかった。10年連続で都市対抗野球に出場しているヤマハで日本一を達成するつもりだ。「プロを目指している。当面はレギュラー獲得が目標」という。

 2人とも180センチを超える。右島学監督(45)は「二遊間をやらせているが、2人とも基本の動きがしっかりできている」と期待する。大学時代は遊撃が主だった河野が二塁、前野は中学以来という遊撃に挑戦している。現在チームは浜松球場でキャンプ中。厳しい競争を勝ち抜き、2人はチームの柱になる。【加納慎也】