<北海道6大学野球:東農大北海道3-0北海道教大函館>◇第1節最終日◇27日◇苫小牧市営緑ケ丘

 今秋のドラフト候補、東農大北海道・風張蓮投手(4年=岩手・伊保内)が完封勝利で、スカウトの視線を引きつけた。プロ7球団のスカウトが集結し、風張の故郷、東北の楽天は2人態勢だった。風張は最速146キロを計測。自己最速(151キロ)には届かなかったが、毎回の14三振を奪った。「チームの勝利のことだけを考えた」。今季1勝目を喜んだ。

 ライバルの好投に奮起した。前日26日、玉井大翔投手(4年=旭川実)が完投で白星を飾った。開幕戦のマウンドを譲ることになり「玉井はエース的存在」と実力を認める。タイプは違えど同じ右腕。負けてはいられない。2失点だった玉井に対し、完封したことには、うれしそうな様子だった。

 5年越しの夢をかなえる。高校時代からプロの注目を集めたが、志望届を提出しなかった。「プロで常に活躍できるような選手になることを目指すため」。レベルアップしてからの挑戦を選んだ。高校時代から知る楽天上岡スカウトは「力強さと安定感がある。さらに良くなった印象。地元の子なので、見ていきたい」と今後もマークしていく方針。風張は「このまま先発を任せてもらえば、最低5試合投げる。自分の仕事をして勝ち星につなげる」と全勝を誓う。勝負の年が始まった。【保坂果那】