阪神が次代を担うチームリーダー候補を獲得した。当初の方針通り、ドラフト3位で早大・上本博紀内野手(4年=広陵)を指名した。今秋にリーグ通算100安打を記録した即戦力野手で、二塁を守る期待の右打者だ。1日から始まる早慶戦にリーグ優勝がかかっていて、この日は早大グラウンドでの練習に集中。取材には応じなかったが「指名を受けたと聞きとても光栄です。これまで支えてくれたいろいろな方々に感謝します」というコメントを発表した。12球団OKの姿勢を見せていて、入団に支障はない模様だ。

 早大で主将の上本は数字では表れない部分も評価された。南球団社長は「チームリーダー的な存在で、野球をよく知っている選手だ」と指名理由を明かした。強豪の広陵高では1年生ながらベンチ入り。二塁手として力を振るったが、3年のセンバツでは捕手を務めた。恩師の中井監督は「あいつが1番野球を理解していたから」と当時を振り返る。負けん気が強いところは、先輩の金本にも通じる所があり、猛虎を引っ張る資質は十分にある。

 入団すれば、ルーキーイヤーから1軍で活躍する可能性はある。同じ早大の鳥谷との二遊間結成は、遠い話ではない。

 ◆上本博紀(うえもと・ひろき)1986年(昭和61年)7月4日、広島県生まれ。広陵高では1年夏から甲子園に4季連続で出場し、03年の2年春は優勝。甲子園の通算打率は5割で7打点、1本塁打。03年夏の1回戦・東海大甲府戦では大会史上10本目の1回表の先頭打者本塁打を放った。早大では4年時に主将を務め、今秋リーグで史上27人目の通算100安打を達成。173センチ、70キロ。右投げ右打ち。