2010年9月3日
中大・沢村らドラフト候補の競演に注目
8月31日の記念試合で握手を交わす中大・沢村と早大・斎藤
東洋大の連覇、中大・沢村拓一投手(4年=佐野日大)らドラフト候補選手の競演、新監督を迎えた国学大、1シーズンで1部復帰した青学大。9月4日に開幕する今秋の東都大学リーグは見どころがたっぷり。
2連覇を狙う東洋大。大学選手権MVPの左腕・藤岡貴裕投手(3年=桐生一)は、春の活躍で2011年ドラフトの目玉に名乗りを挙げた。リーグトップの6勝4完投、防御率1・07。3戦連続完封勝利という快挙もあった。鹿沼圭佑投手(4年=桐生一)、乾真大投手(4年=東洋大姫路)、内山拓哉投手(3年=浦和学院)も控え、東都一の投手王国を築いている。
世界大学野球では左腕・乾が一球入魂と言わんばかりのピッチングを披露。イニングが短かったこともあるが、リーグ戦でも気迫のこもった姿を見たい。10月28日にはドラフト会議も控え、坂井貴文外野手(4年=春日部共栄)などは最後のアピールチャンスとなる。4年生は入学以降、1回しか優勝を逃していない。最後も明治神宮大会優勝を視野に入れて戦う。
中大の157キロ右腕・沢村は、7月25日に右脇腹を肉離れして世界大学野球選手権を辞退。「投げることのありがたみというか、幸せを感じています」と、今までにない心境になったという。その後、8月半ばに遠投などを始めた。開幕まで1週間を切り、そろそろ実戦登板したいところだ。
今春は山崎雄飛投手(4年=芝浦工大付)と鮫島哲新捕手(4年=鹿児島工)の戦列離脱が響いて3位。山崎は実戦が遠のいており、復調具合が気がかり。左腕・入江慶亮投手(3年=浜田)ら、春に経験を積んだ投手たちの働きが必要不可欠だ。なお、中大は04年秋を最後に亜大から勝ち点を挙げていない。悲願の優勝へ、第3週の鬼門突破が注目される。
その亜大は、ここ7シーズンで2位が5回。開幕黒星スタートが多く、前半波に乗れないのが響いている。今秋の開幕戦は国士大だが果たして…。
大黒柱は春4勝の東浜巨投手(2年=沖縄尚学)。今春ピリピリムードの中、沢村との投げ合いを制したピッチングは圧巻だった。いっぽうで、開幕の東洋大戦で調整不足のため初回6失点。同じ失敗は避けたい。攻撃も打順関係なくムラがない。本間篤史外野手(4年=駒大苫小牧)は巨人大道のようにバットを短つ独特の打撃で勝負強さを発揮。ラストシーズンも大暴れしてほしい。
国学大も優勝争いに加われる戦力だ。突然の監督交代には驚いたが、鳥山泰孝新監督は98年から9年間同大でコーチを務めるなどまさに適任。引き継ぎ期間が短かったため、前監督の竹田利秋氏もグラウンドで指導にあたっている。鳥山監督は11日の就任早々、午前中にBチーム同士の紅白戦を取り入れるなど精力的。「夜間練習が活発になった」と効果を感じ取っている。
春は4位。右サイドから140キロ台中盤を叩き出す埜口卓哉投手(4年=つくば秀英)の穴を、鷲尾拓也投手(3年=能代)らが埋めた。鷲尾は中大1回戦で1安打完封勝利。打撃投手で培った勝負勘が冴え渡った。左腕・高木京介投手(3年=星稜)も健在で投手層は厚い。主将・渡辺貴美男遊撃手(4年=文星芸大付)、4番に固定されるようになった庄司輔一塁手(3年=修徳)の野手陣が奮起したいところだ。鳥山監督が「選手層を厚くしてチーム一丸で戦いたい」と話せば、竹田氏も「うちは高校野球みたいなチームだから」と結束力で勝負に出る。
国士大は春5位、勝率では最下位だった。この秋は真価が問われる。今春は全12試合が継投で、今季も樋口裕史投手(4年=富士見)、屋宜照悟投手(4年=中部商)、坂寄晴一投手(2年=鉾田一)が中心だ。青山直樹捕手(4年=市船橋)、西川元気遊撃手(3年=桐光学園)とセンターラインが堅いため、守備からリズムを作っていきたい。
青学大は中大と開幕週でぶつかる。福島由登投手(2年=大阪桐蔭)の活躍で、見事1シーズンで1部復帰を果たした。福島は春に60イニング以上を投げている。もともとタフだというが、今季も頼りっぱなしというわけにはいかない。春はスタンドにいた川角謙投手(4年=横浜)、垣ケ原達也投手(3年=帝京)ら上級生の巻き返しにも期待したい。【矢島彩】
※次回は9月6日掲載予定
- 小関順二(こせき・じゅんじ)
- 1952年生まれ、神奈川県出身。日大芸術学部卒。会社勤めのかたわら「ドラフト会議倶楽部」を主宰。本番のドラフト会議直前に「模擬ドラフト会議」を開催し注目される。その後スポーツライターに転身。アマチュア野球を中心に年間200試合以上を生観戦。右手にペン、左手にストップウォッチを持って選手の動きに目を光らせる。著書に「プロ野球問題だらけの12球団」ほか多数。家族は夫人と1女。
- 矢島彩(やじま・あや)
- 1984年生まれ、神奈川県出身。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代にアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。大学卒業後フリーライターに。雑誌「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)などに執筆中。好きな食べ物は広島風お好み焼きと焼き鳥(ただしお酒は飲めません)。趣味は水泳。
- 福田豊(ふくだ・ゆたか)
- 1962年生まれ、静岡県出身。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ふくださん」の名前でツイート中。
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