2010年9月10日
ドラフト注目選手・山下斐紹(習志野)
攻守走、3拍子揃った習志野・山下捕手
攻守走、すべてそろった高校NO・1捕手と言っていい。ちょっぴり生意気で鼻っ柱の強いところも、プロ向きだ。
7月14日、千葉県営天台球場で行われた千葉大会2回戦・東京学館船橋戦。ネット裏には11球団20人以上のスカウトが集結した。普段は目立たない場所にいる西武のスカウトもこの日ばかりは正面に堂々と陣取った。しかも5人も! お目当てはもちろん山下。猛暑の中、熱い視線を送っていた。
そのスカウトの目の前で2安打2打点1盗塁。自慢の強肩を披露する場面はなかったが、打って、走って、守って、能力の高さを強烈にアピールした。
遠投120メートルの強肩。しかも捕ってからが速い。二塁ベース到達まで2秒を切れば合格と言われるが自己最速タイムは1・79秒。この日もイニング間の二塁送球のほとんどが1秒台で最速は1・84秒をマークした。また一塁への素早いけん制も披露。隙あらば「走者を殺してやろう」という積極性は買える。
打撃では2安打2死球。右から左へ強風が吹いていると見るや、相手の内角攻めを読んで右方向へ低いライナーを飛ばす。配球を読み、状況に応じた打撃ができる。そのへんにセンスの良さを感じる。高校通算本塁打は35本。高校最後の試合となった準決勝・成田戦では「唐川2世」の中川から2三振したがタイムリー二塁打も放った。
そして山下の魅力はもう1つ。走れることだ。50メートル走は5・9秒。出塁すれば常に大きなリードを心がけ、次の塁を貪欲に狙う。これだけの足があれば捕手以外のポジションもこなせるはずだ。
山下の目標とする選手は巨人阿部。「打てるキャッチャーになりたい」。目標に向かって怖いもの知らずの17歳がプロに挑戦する。【福田豊】
◆山下斐紹(やました・あやつぐ)1992年(平4)11月16日、北海道生まれ。磯部二中では千葉西シニアに所属し、1年時に投手から外野手に転向。習志野入学後、捕手転向。1年夏からベンチ入り。1年秋からレギュラーとして、09年春に33年ぶりとなるセンバツ出場を果たし2試合で5打数2安打。今夏は千葉大会準決勝で成田に敗れ甲子園出場を逃した。高校通算本塁打は35本。遠投120メートル、50メートル5・9秒。178センチ、74キロ。右投げ左打ち。
- 小関順二(こせき・じゅんじ)
- 1952年生まれ、神奈川県出身。日大芸術学部卒。会社勤めのかたわら「ドラフト会議倶楽部」を主宰。本番のドラフト会議直前に「模擬ドラフト会議」を開催し注目される。その後スポーツライターに転身。アマチュア野球を中心に年間200試合以上を生観戦。右手にペン、左手にストップウォッチを持って選手の動きに目を光らせる。著書に「プロ野球問題だらけの12球団」ほか多数。家族は夫人と1女。
- 矢島彩(やじま・あや)
- 1984年生まれ、神奈川県出身。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代にアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。大学卒業後フリーライターに。雑誌「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)などに執筆中。好きな食べ物は広島風お好み焼きと焼き鳥(ただしお酒は飲めません)。趣味は水泳。
- 福田豊(ふくだ・ゆたか)
- 1962年生まれ、静岡県出身。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ふくださん」の名前でツイート中。
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