2010年9月29日
ドラフト注目選手・南昌輝(立正大)
立正大のエース、南昌輝投手
「ヨッコラショ」と言わんばかりのかつぎ投げ。中学2年までは捕手だったというのもうなずける。春のリーグ戦で立正大は東都リーグの最下位。入れ替え戦で青学大に敗れ今秋から2部転落も、南がドラフト1位候補であることは間違いない。
最速151キロの速球に、カーブ、フォーク、スライダー、ツーシームなど一通りの変化球を投げる本格派右腕。直球で空振りを取るというより、外角低めにズバっと決めて見逃し三振を取るタイプだ。
立正大では1年秋にリーグ戦デビューし2年春からエース格。3年秋はシーズン序盤こそ調整不足からか登板機会が少なかったが、途中から大車輪の活躍。3勝、防御率0・85でチームを初優勝に導きMVP、最優秀投手。神宮大会でも好投し日本一に輝いている。
しかし今春は3勝5敗、防御率2・71と実力を発揮できなかった。好不調の波が激しく、変化球が決まらないと序盤に打ち込まれるケースも目についた。また右肩痛にも苦しむなど、不本意なシーズンに終わった。2部での大学ラストシーズンもここまではまだ本来のピッチングが披露できていない。
それでもハマった時のピッチングは凄い。相手打線が手も足も出ないほどスカっと気持ちよく抑える。独特のフォームといい、波の激しさといい、「評価が難しい」と話すスカウトもいるが、体の強さや馬力は十分プロで食っていけるだけのものがある。体のケアをしっかり行い、無理なく使ってもらえれば、それなりの結果を出せる能力は間違いなくあるはずだ。
◆南昌輝(みなみ・まさき)1989年(平元)1月18日生まれ、和歌山県出身。県和歌山商時代は甲子園出場なし。3年夏は3回戦で海南に0-1で敗れた。立正大法学部に進学し1年秋のリーグ戦でデビュー。2年春からエースとして活躍し3年秋には立正大を創部60年目で初のリーグ優勝に導く原動力となった。4年春までのリーグ戦成績は15勝14敗、防御率2・15。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。
- 小関順二(こせき・じゅんじ)
- 1952年生まれ、神奈川県出身。日大芸術学部卒。会社勤めのかたわら「ドラフト会議倶楽部」を主宰。本番のドラフト会議直前に「模擬ドラフト会議」を開催し注目される。その後スポーツライターに転身。アマチュア野球を中心に年間200試合以上を生観戦。右手にペン、左手にストップウォッチを持って選手の動きに目を光らせる。著書に「プロ野球問題だらけの12球団」ほか多数。家族は夫人と1女。
- 矢島彩(やじま・あや)
- 1984年生まれ、神奈川県出身。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代にアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。大学卒業後フリーライターに。雑誌「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)などに執筆中。好きな食べ物は広島風お好み焼きと焼き鳥(ただしお酒は飲めません)。趣味は水泳。
- 福田豊(ふくだ・ゆたか)
- 1962年生まれ、静岡県出身。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ふくださん」の名前でツイート中。
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