2010年10月14日
ドラフト注目選手・榎下陽大(九産大)
九産大で大きく成長した榎下投手
まさに糸を引くストレート。捕手の構えたミットに白球が吸い込まれるように飛び込んでいく。ナイターで行われた昨秋の神宮大会、創価大戦。九産大・榎下は11三振を奪い1安打完封した。ストレート、スライダー、フォークボール。テークバックを大きく取り、真上からたたきつけるように投げ下ろす。見ていて実に気持ちが良いピッチャーだ。
高校時代は鹿児島工のエースとして甲子園出場。4強入りしたものの、ドラフト候補にはならなかった。しかし、大学入学後、地道なトレーニングで下半身を強化。最速は150キロに達した。「直球に自信が持てるようになって真っすぐで勝負できるようになった」と本人が話すように、ストレートで空振りが取れる。早大・大石のストレートも見事だが、榎下の直球も浮き上がるように伸びてくる。大学ではもちろん先発だが、リリーフで使っても面白い。阪神藤川、ソフトバンク馬原のようなストレートで抑えるクローザーになれる魅力を持っている。
今秋はシーズン序盤に右ひじの違和感があったが完治。150キロには届かなかったが、145キロを出してスカウト陣を安心させた。高3夏の甲子園では準決勝で佑ちゃんの早実に完敗。それでも4年間で同じドラフト1位候補になるまでに成長した。プロの舞台で再び投げ合う日が近づいてきた。【福田豊】
◆榎下陽大(えのした・ようだい)1988年(昭63)7月21日、鹿児島市生まれ。伊敷台小1から野球を始める。鹿児島工3年夏に甲子園に出場。初出場ながら準決勝進出を果たし、その後開催された日米親善野球の日本代表メンバーにも選ばれた。大学入学後は1年春にリーグ戦デビュー。通算30勝7敗、防御率1・68の数字を残した。178センチ、75キロ。右投げ右打ち。
- 小関順二(こせき・じゅんじ)
- 1952年生まれ、神奈川県出身。日大芸術学部卒。会社勤めのかたわら「ドラフト会議倶楽部」を主宰。本番のドラフト会議直前に「模擬ドラフト会議」を開催し注目される。その後スポーツライターに転身。アマチュア野球を中心に年間200試合以上を生観戦。右手にペン、左手にストップウォッチを持って選手の動きに目を光らせる。著書に「プロ野球問題だらけの12球団」ほか多数。家族は夫人と1女。
- 矢島彩(やじま・あや)
- 1984年生まれ、神奈川県出身。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代にアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。大学卒業後フリーライターに。雑誌「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)などに執筆中。好きな食べ物は広島風お好み焼きと焼き鳥(ただしお酒は飲めません)。趣味は水泳。
- 福田豊(ふくだ・ゆたか)
- 1962年生まれ、静岡県出身。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ふくださん」の名前でツイート中。
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