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2010年11月29日

菅野、藤岡、野村…来年も豊作ドラフト!

2011年ドラフトの目玉、東海大・菅野投手

 来年の大学野球界は!?斎藤世代が卒業してしまうが、来年もドラフト候補は多い。投打のバランスが良く、もしかしたら斎藤世代以上に豊作かもしれない!

 目玉は東海大の菅野智之投手(3年=東海大相模)だ。躍動感のあるフォームから最速157キロをマークする。さらにスライダーは140キロ台で、テンポのいいマウンドさばきを見せる。巨人・原辰徳監督の甥っ子で有名だが、メジャースカウトもリーグ戦に足を運ぶなど追いかけている。他球団の動向も気になるところだ。今年は大学選手権も明治神宮大会も準優勝。なお高校3年夏も神奈川県大会準優勝。来年こそは頂点に立ちたい。

 東洋大の左腕・藤岡貴裕投手(3年=桐生一)は、今年最もブレークした投手だ。1学年先輩の乾真大投手(日本ハム3位)に追いつけ追い越せで練習に取り組み、エースの座を奪った。東都大学春季リーグ戦で3戦連続完封で日本一に貢献し、秋も5完封と安定したピッチングを披露。球速は常時140キロ台前半~中盤だが、対戦経験のある複数の打者から「真っ直ぐは沢村(拓一=中大4年-巨人1位)以上」という声も聞かれる。フィールディングも上手く完成度が高い。

 藤岡と同じく、明治神宮大会の決勝戦をテレビで観戦していたというのが明大の野村祐輔投手(3年=広陵)だ。野村は1年時からフル回転し、通算19勝8敗。与四死球は1試合平均2個以下で、野村自身も制球力にはこだわっている。試合後には良かったところと反省も必ず挙げてくる。菅野や藤岡にある、驚くようなボールを持っているわけではない。それでも抑えてしまうところが魅力だ。

 近大の中後悠平投手(3年=近大新宮)は、上の3人とはタイプが異なる。やや変則気味の左腕からキレのいいストレート、スライダー、チェンジアップなどを投げ分ける。ストレートは常時140キロ台前半だが球速表示以上に伸びを感じる。今秋は開幕の調整不足が響いて2勝止まり。課題の安定感を克服して、もう一度全国舞台に立ってほしい。

 世界大会期間中は4人で団体行動のように生活していたそうで、お互いの力を認め合いながらもいいライバル関係が築かれている。

 東北福祉大の中根佑二投手(3年=仙台育英)、国学院大の左腕・高木京介投手(3年=星稜)、桐蔭横浜大の東明大貴投手(3年=岐阜・富田)は、この秋はけがなどで本調子ではなかった投手たちだ。実績は十分なので巻き返したいところ。逆に明大の森田貴之投手(3年=大垣日大)など潜在能力の高い投手も少なくない。ラストイヤーの変身に期待したい。

 2010年と違うのは、来年は野手にも好選手がいることだ。

 まずは早慶の外野手だ。早大の土生翔平外野手(3年=広陵)、慶大の伊藤隼太外野手(3年=中京大中京)だ。2人は主将、右投げ左打ちと共通点が多い。土生は今秋東京6大学リーグ戦で3割8分6厘で首位打者を受賞した。巧みなバットコントロールで、野手のいないところへ落とす。3年春からレギュラーに定着して以降、打率3割台をキープし続けている。高校時代から指導者、チームメートから厚い信頼を得ている人格者でもある。

 伊藤は勝負強さが売り。春は打点王、秋は本塁打と打点の2冠を獲得している。慶大の野手というとスマートなプレーが思い浮かぶが、伊藤はがむしゃらさが際立つ。三塁側から観戦するのがおすすめ。打席での構えからオーラを感じ取れて、全力でダイヤモンドを走る姿がよく見えるからだ。広州アジア大会では学生で唯一メンバー入りを果たし、おもに「6番左翼」で出場していた。

 内野手では中大の井上晴哉一塁手(3年=崇徳)がいる。180センチ、100キロの体格で長打力と確実性の両方を持つ。3年春まで1部通算打率3割2分9厘をマークしていた。今年は夏以降に調子を崩してしまったが「今年はホームランを打ったときに確かな手ごたえをつかんだものが多かった」と、振り返っている。

 立大の岡崎啓介二塁手(3年=PL学園)はパンチ力が武器の右打者。173センチ、78キロと小柄だが、春に3本塁打を放って全日本入りした。秋は0本に終わり、来春は真価が問われるだろう。

 白鴎大の塚田正義遊撃手(3年=古河一)は左打ちだが、岡崎と似たようなタイプ。関甲新リーグでは表彰選手常連だ。

 現時点では捕手にずば抜けた選手はいない。国学院大の清水隆弘捕手(3年=酒田南)は初優勝の影の立役者だ。前監督の竹田利秋氏は、観察力や洞察力などは嶋基宏(楽天)に近いものがあると今後の成長を期待していた。

ドラフト2010
小関順二(こせき・じゅんじ)
 1952年生まれ、神奈川県出身。日大芸術学部卒。会社勤めのかたわら「ドラフト会議倶楽部」を主宰。本番のドラフト会議直前に「模擬ドラフト会議」を開催し注目される。その後スポーツライターに転身。アマチュア野球を中心に年間200試合以上を生観戦。右手にペン、左手にストップウォッチを持って選手の動きに目を光らせる。著書に「プロ野球問題だらけの12球団」ほか多数。家族は夫人と1女。
矢島彩(やじま・あや)
 1984年生まれ、神奈川県出身。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代にアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。大学卒業後フリーライターに。雑誌「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)などに執筆中。好きな食べ物は広島風お好み焼きと焼き鳥(ただしお酒は飲めません)。趣味は水泳。
福田豊(ふくだ・ゆたか)
 1962年生まれ、静岡県出身。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ふくださん」の名前でツイート中。

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