世界の王もほれた!

 ソフトバンク王貞治球団会長(71)が、宮崎日大の151キロ右腕・武田翔太投手(3年)のドラフト1位指名を明言した。26日、都内で編成会議を行い、武田の1位指名を確認。九州のダルビッシュといわれる地元の宝に世界の王もぞっこんだ。あえて指名を公言し、未来のエース獲得に最大誠意を示した。ドラフト会議は今日27日午後5時から始まる。

 一本足打法ならぬ異例の一本釣り宣言が飛び出した。球団の編成トップに立つ王球団会長が九州のダルビッシュこと武田の1位指名を明言した。

 王会長

 (武田は)競合しないと思う。うちが早く(1位指名の方針を)打ち出すのは初めてじゃないかな。九州の選手だし、向こうも、うちでプレーするのを望んでいるんじゃないかな。うちのスカウトは優秀だから。全体の総意だよ。

 武田は187センチの長身から投げおろす最速151キロの直球が最大の武器。そのスタイルから九州のダルビッシュとも言われ、今ドラフトでは素材NO・1との呼び声も高い。

 昨年のドラフトでは前日も方針を明かさず、王会長の早実の後輩でもある早大斎藤を1位指名したが、4球団競合のすえ、抽選で指名権を逃した。今回はリスクを避け、確実に将来性豊かな素材に的を絞った形となった。この日の編成会議であらためて確認し、王会長も了承した形となった。

 16勝をあげた和田は海外FA権を獲得しメジャー志向も強いが、国内FA権を獲得した杉内は残留が基本線。今季先発転向した摂津は14勝。山田、岩崎も成長しリーグ2連覇を果たした投手力は充実の時を迎えている。即戦力の獲得はFAや外国人獲得などで推し進め、今ドラフトでは未来のホークスを支える好素材に的を絞る。

 王会長

 実物は見ていないが、DVDでは見た。彼は甲子園に出られなかったから。その分、チャレンジ精神を持って頑張ってほしいね。

 世界の王も武田の素材にぞっこんの様子だ。今夏の宮崎県大会で準々決勝敗退。その悔しさは福岡ヤフードームで晴らしてほしい。未来のエース候補に熱烈なラブコール。お互いの思いが今日、結ばれる。【奈島宏樹】

 ◆武田翔太(たけだ・しょうた)1993年(平5)4月3日、大分県別府市生まれ。小1のとき宮崎市へ転居し小学時代は水泳とバレーボールをやりながら住吉小3年のときに野球を始める。住吉中では野球部に所属。中学から本格的に投手となり、3年のときに県大会優勝。高校では1年秋からエース。その年の九州大会出場。好きな投手は日本ハム・ダルビッシュ。趣味は将棋。187センチ、80キロ。右投げ右打ち。