<プロ野球ドラフト会議>◇24日

 菊川南陵の大田圭利伊内野手(3年)は、どの球団からも指名はされなかった。この日午後5時から開催されたドラフト会議の中継を見つめたが、最後まで自身の名前は呼ばれない。1年間のブランクにも負けずに準備をしてきたが、夢はかなわなかった。

 この日は、午後7時からTBS系「ドラフト緊急生特番

 お母さんありがとう~夢を追う親と子の物語運命の瞬間を生中継」が放送され、菊川南陵にはTBS取材班や報道陣のほか、地域住民も詰めかけた。母・いつさんとのドキュメンタリー映像も番組で放送され、大田は時折笑顔も見せた。だが、午後8時32分にテストを受けた広島が育成指名終了を宣言すると、大田は大きく息を吐き目をとじた。

 大田

 どきどきしていた。広島からの指名が終わったときはまずいな、と。

 大田は同校が菊川南陵に校名変更後の1期生。平野豊校長からは感謝の言葉をかけられた。大田は「ここまで来られたのはお母さんのおかげ。支えてくれた周りの人にありがとうございましたと伝えたい」と話した。

 プロ入りを目指していたこともあり、今後の進路は未定だ。野球を続けられる環境を模索していく。【加納慎也】