黄金ルーキーが、華々しいプロの門出を迎えた。日本ハムのドラフト1位早大・有原航平投手(22)が、札幌市内の札幌時計台で行われた新入団選手発表に臨んだ。球団が北海道に本拠地移転後11年目で初の試み。午後3時に鳴り響くチャイムとともに背番号16のユニホームに身を包んだ右腕が登場。「プロ野球選手になったなあ…」と感慨に浸りながら、「緊張して、あまり覚えていないんですが、光栄なこと」と、晴れやかだった。

 会場となった札幌時計台は1878年(明11)、北大の前身である札幌農学校の初代教頭を務めたクラーク博士の構想で、建設された。当時は演舞場として利用され、入学式や卒業式も行われていた。新たな人生をスタートさせる学生の姿を見届けてきた、由緒ある建物だ。札幌市の協力を得て初めて実現した。国の重要文化財にも指定される時計台の2階ホール。観光客も顔をのぞかせた「異例」の場所。栗山監督は「一生、時計台を忘れないんじゃないかな」と目を細め、歓迎した。

 即戦力の期待がかかる有原は、右肘痛を癒やすため、年内はノースロー予定。「期待してもらっているんですけど、無理して壊れるのは一番良くない。しっかり治して頑張ります」。はやる気持ちを抑えながらも、気持ちは高ぶっている。【田中彩友美】