球児が名実ともに阪神の顔になる!

 阪神が藤川球児投手(28)に、生え抜き最高年俸を提示することが24日、明らかになった。今季も絶対的な守護神として、リーグ2位タイの38セーブ、防御率0・67と抜群の成績を収めた。優勝こそ逃したが、球団は最大限の評価を与える方針。今季年俸2億8000万円から、大幅アップの4億円到達も視野に入る。阪神の生え抜き最高額は06年今岡の3億3000万円で、更新は確実だ。また、球団別の年俸総額(外国人選手を除く)では来季、99年に最下位だった阪神が、巨人を抜いて日本一に浮上しそうだ。(金額は推定)

 剛速球さながらのハイスピード昇給だ。05年の大ブレークから、わずか4シーズン。藤川が早くも猛虎の“頂点”に立つ。12月中に予定される契約更改で、球団側が生え抜き最高額となる条件を提示することが判明。06年今岡の3億3000万円を更新することが確実となった。

 球団首脳は「残念ながら優勝を逃したが、がんばってくれた選手は評価したい」と話す。投手陣でトップの査定は揺るぎない。歴史的V逸を経験したが、最大限、労に報いる方針だ。

 藤川の今季推定年俸は2億8000万円で、4億円という大台到達も視野に入ってくる。それだけの貢献はあった。今季は開幕から球団新の11連続セーブを記録。8月には北京五輪の過酷な戦いを経験しながらも、リーグ2位タイの38セーブ。防御率0・67は入団以来最高だ。さらにシーズン終盤には、ビハインドの展開や2イニング以上の登板もいとわなかった。昨オフの契約更改では「仕事と思うのが、自分はイヤだった。誰かに何かを伝えたい、と思って投げるほうが幸せなんで」と出来高契約を拒否。その言葉通り、クローザーの枠を飛び越える活躍を見せ、チームの精神的支柱として数字には表れない部分でも存在感を発揮した。

 来季の契約に関しては、すでに球団側と藤川の代理人との間で、下交渉が始まっている。注目されていたポスティングシステムを活用してのメジャー移籍要求はひとまず封印。22日のファン感謝イベントで「来年は巨人に勝って優勝したい」と“残留”を宣言。真弓新監督のためにも、打倒巨人とV奪還を誓い、虎党を安心させた。この潔い姿勢も球団の信頼アップにつながっている。

 来季は代表選出が確実視されるWBCで、ポスト上原として、ストッパーを務める可能性が高い。年を追うごとに日本球界での責任も増大し、年俸もそれに見合ったものとなる。仮に4億円に到達した場合、04年オフに契約した年俸2200万円から、約18倍のアップ。マウンド同様、金銭面でも藤川はファンに夢を与える存在になる。