移籍1年目で活躍した平野恵一外野手(29)は大幅アップの6900万円で更改した。

 平野は感激の面持ちだった。「想像以上の評価をいただきました。前半戦の活躍とチームへの影響力を評価していただいたので、特に言うことはありませんでした」。4600万円から2300万円増の年俸6900万円。カムバック賞のタイトル料を合わせて7000万円に手が届いた。

 大きかったのが査定に表れない「感動料」というべきものだった。もはや完全なトレードマークとなった一塁へのヘッドスライディングはベンチを活気づけた。チーム全体で取り組んだ走塁革命に大きな影響を与えた。06年5月の大けがから復活したカムバック賞に匹敵する高評価を得た。

 交渉にあたった沼沢球団本部長も「チームを引っ張ってくれた点を考慮した。走塁面でガッツあふれるところを見せてくれた。守備でも。その意気込みを、ね」と語った。

 「2番打者をやっていてこれほど注目していただいたのは初めて。それでも1、3番には迷惑をかけっぱなしだった。もっとレベルアップしてもっともっと信頼される、良い選手になっていきたい」。

 つなぎ打線の象徴として両リーグ最多の47犠打。二塁、右翼とマルチな守備力に、ここぞのファインプレー。オリックスからの移籍元年に大きく輝いた小兵はどこまで謙虚だった。