日本ハムの「不惑バッテリー」が22日、長寿記録を標的に定めた。前ヤクルト木田優夫投手(41)と中嶋聡兼任バッテリーコーチ(40)の2人が、今季史上初となる40代先発バッテリーの記録を達成した、阪神の下柳と矢野の同級生コンビに発奮。来季の更新を目指し、ともに24年目のシーズンへ臨むことを誓った。

 遠距離ラブコールを成就させ、一気に公約が固まった。この日、木田は2軍施設がある千葉・鎌ケ谷で自主トレを行った。中嶋は札幌市内の球団事務所で100万円ダウンの推定年俸3200万円で契約を更改した。それぞれ居場所は違ったが、早くも息の合った決意表明が出た。木田は「組みたい。選手から言えないので、コーチから言ってもらえれば」と、中嶋の“職権”を利用しての後押しをお願いした。

 2人の間では、既にひそかに誓い合っていた。木田の入団決定後、鎌ケ谷で偶然、対面した。球団こそ違え、86年のドラフトで入団した同期生になる。かねて食事をともにするなど面識はあったが、同じユニホームを着るのは初めて。中嶋は「下柳、矢野の記録を抜こうという話をした」と男同士の誓いを立てていた。来季、矢野は城島加入で出場機会は減りそうなだけに、ハムのベテランコンビは本気で狙っていく。

 ともに、いつかは訪れる引退という現役生活のゴールを実感しながら、1年1年を過ごしている。中嶋は「木田が入って(現役は)もうええやろ、っていう(周囲の)ムードが分散する」とジョーク交じりで、木田効果を歓迎した。木田も年俸1000万円で新天地へ飛び込んでくる。「本当の同期は中嶋と(楽天)山崎(武)。そういうチャンスがあればやりたい」と共闘に向けた。日本が抱える高齢化社会の問題を勇気づけるような、渋いタッグが実現なるか、注目だ。