侍ジャパンのジョーカー則本昂大投手(26)が最先端のハイテク機器を駆使して、WBCへ向けて調整する。今日28日の壮行試合・台湾プロ野球選抜戦(ヤフオクドーム)に先発。登板前日の27日は宮崎の木の花ドームで投手練習に参加した。「やることは変わらない。出来ることだけ、やりたいです」。出来ることの1つが、同球場に設置されている弾道測定器「トラックマン」の活用だった。

 今日から2試合が行われるヤフオクドームには設置されている。則本はじめ選手から要望があり、侍ジャパンは登板時のデータ提供を同ドーム側に依頼し、快諾を得た。則本は「実戦感覚を養う。(野手との)連係、コミュニケーションをしっかり取りたい」とテーマを定めた。

 楽天も本拠地にトラックマンを設置している。シーズン中から、登板時にはじき出されるさまざまな数値をもとに自身の状態を常に確認してきた。好調時のスピン量なども頭に入っている。NPB使用球とWBC使用球での違いも把握が可能。感覚的な部分と科学的な視点から、現状をチェックする。開幕戦の3月7日キューバ戦に中継ぎ待機し、1次ラウンドプレーオフまたは2次ラウンド初戦へ向け、いつものスタイルで準備を進める。【木下大輔】

 ◆トラックマン デンマークのトラックマン社が03年に開発した弾道測定器。ミサイル追尾のレーダー技術を応用して球速、球の回転数、回転角度、打球の角度や飛距離などを正確に計測する。ゴルフのツアーでは公式計測器として採用され、大リーグでは全30球団が導入。日本でも楽天、ソフトバンクなどが次々に利用し始めている。