バンタム級「頂上対決」だ! ボクシングのWBC世界同級王者山中慎介(32=帝拳)が、9月22日に同級3位の元WBA世界同級スーパー王者アンセルモ・モレノ(30=パナマ)と9度目の防衛戦(東京・大田区総合体育館)を行うことが10日、発表された。世界王座を12度防衛した最強の挑戦者を迎え、王者のテンションは最高潮に高まった。得意の左で難敵を打ち破る。

 待ち望んだビッグマッチに、山中の表情と言葉からは高揚感がにじみ出た。防衛を重ねるたびに繰り返してきた「強い相手と戦いたい」という言葉通りの難敵。「会長から試合を聞かされた時は、テンションが上がったし、興奮した。自分の中では統一戦という感覚さえある」と力を込めた。

 「バンタム級最強」を決める戦いだ。08年にWBA王座を獲得したモレノは、上体を柔らかく使った鉄壁の防御を武器に、12度の防衛に成功。V7戦後にはスーパー王者に認定された。昨年9月にパヤノ(ドミニカ共和国)に6回負傷判定という不運な形で王座を奪われるも、衰えはない。帝拳ジムの浜田剛史代表も「間違いなくこの階級の1位、2位の対決。これまでで最強の相手」と説明した。

 山中の危機感も強い。V1戦で戦った元2階級王者ダルチニャンの名前を挙げて「あの時以来の感覚。負けるリスクもある」。ファンが期待する「KO」についても明言を避け「頭の中にはあるが、今回はあまり言わないようにする。左1発では当たらないと思うし、コンビネーションも重要になる」と冷静に分析した。

 5月に米ボクシング誌「リングマガジン」の選ぶパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じての最強選手)のトップ10に選出されるなど、世界からの注目度も高い。難しい一戦となるが「自信がなければやりたいとは言わない。自分の強さを見ていて欲しい」と力強く言い切った。12日に沖縄での走り込みキャンプを開始し、決戦の準備を進める。【奥山将志】

 ◆アンセルモ・モレノ 1985年6月28日、パナマ生まれ。02年3月プロデビュー。08年5月にシドレンコに判定勝ちし、WBA世界バンタム級王座を獲得。12度の防衛に成功も、14年9月にパヤノに6回負傷判定で敗れ、王座陥落。パンチを当てさせないことから「チュミート=亡霊」の異名を持つ。169センチの左ボクサーファイター。