◆WBA世界ミドル級王座決定戦

 ロンドン五輪金メダリストで世界初挑戦の村田諒太(帝拳)は、同級1位のアッサン・エンダム(フランス)に1-2の判定で敗れた。

 村田は4回に右のカウンターでダウンを奪うなどしたが、ポイントで及ばなかった。村田の戦績は13戦12勝(9KO)1敗、エンダムは38戦36勝(21KO)2敗。


アッサン・エンダム(33=フランス、同級1位)判定負け×村田諒太(31=帝拳、同級2位)

<1回>序盤は様子見の展開、村田の周りをエンダムが回りながらジャブを放つ。終了間際村田の右ストレートがヒット。

<3回>村田の右を警戒するエンダム、お互い決定打はない。

<4回>ラウンド終盤、村田の右ストレートがエンダムをとらえダウンを奪う。その後も攻めたがゴング。

<5回>エンダムは空を切るパンチも勢いがある。村田は右ストレートでプレッシャーをかける。エンダムはロープ際でよろめく場面もあったがしのいだ。

<6回>村田の右ショートストレートがエンダムの顔をとらえたが前に出るエンダム、村田の顔にも腫れが見える。

<7回>村田の右ストレートがヒットしよろめくエンダム、ロープにもたれダウンにはならず。2度スリップするなど疲れが見えてきた。

<9回>村田の左ジャブにふらついたエンダムだが、強いパンチをかえす。

<10回>村田の右ボディーに苦悶のエンダム、クリンチで逃げる。村田のワンツーがエンダムの顔をとらえる。

<11回>上下打ち分ける村田、左右のボディーがエンダムに突き刺さる。

<12回>攻め手をゆるめない村田は前に出る、エンダムは効果的なパンチを打てない。


 判定を待つ村田に笑顔が見えたが、まさかの1-2(116-111、110-117、115-112)判定負け、王座奪取はならなかった。

4回 村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)
4回 村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)
エンダム(後方)に判定負けを喫し、ぼうぜんとした表情を見せる村田(撮影・河野匠)
エンダム(後方)に判定負けを喫し、ぼうぜんとした表情を見せる村田(撮影・河野匠)

◆WBC世界フライ級タイトル戦

 WBC世界フライ級1位の比嘉大吾(21=白井・具志堅スポーツ)が王者ファン・エルナンデス(30=メキシコ)と対戦し、比嘉は6回に3度のダウンなど奪いTKO勝ちし、新王者となった。日本人初となる全勝全KOでの世界奪取に成功した。


ファン・エルナンデス(30=メキシコ、同級王者)×6回TKO比嘉大吾(21=白井・具志堅スポーツ、同級1位)

<2回>比嘉が左フックでダウンを奪う。

<5回>比嘉が再び左フックで2度目のダウンを奪う。攻め込む比嘉、ボディーにエルナンデスは苦しい表情。

<6回>比嘉の右アッパーにエルナンデスは3度目のダウン。比嘉の強烈なボディーで王者は4度目のダウン、その後も攻め続け5度目のダウンを奪ったところでレフェリーが試合をストップしTKO勝利。


 比嘉の話 最高の結果が出せてよかった。(計量オーバーしている相手に対して)自分も減量がきつくて、1時間前パニック障害を起こして危なかったが、自分の方が気持ちが強いと思い挑んだ。この試合は絶対に倒して取ろうと思っていた。日本人初のKOで全試合取っているので試合にかける思いは強かった。

 具志堅会長の話 相手のパンチをじっくり防御しながら、仕掛けていったのが良かった。素晴らしいボクサーだ。もっともっと強くなる。ボクシングを知らない人でも彼のボクシングを見たいと言われるような選手になってほしい。

6回 TKO勝ちで喜ぶ比嘉(左)を、具志堅用高氏は抱き寄せて祝福する(撮影・浅見桂子)
6回 TKO勝ちで喜ぶ比嘉(左)を、具志堅用高氏は抱き寄せて祝福する(撮影・浅見桂子)
4回 村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)
4回 村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)

◆WBC世界ライトフライ級タイトル戦


ガニガン・ロペス(35=メキシコ、同級王者)×判定勝ち拳四朗(25=BMB、同級4位)

 WBCライトフライ級4位の拳四朗(BMB)は王者ガニガン・ロペス(メキシコ)に2―0で判定勝ちし、新王者となった。

 拳四朗の話 内容は全然良くなかった。ジャブが当てにくかった。必死だった。(王座に就き)ほっとした。もっと練習して、強くなって防衛する。


ロペス(手前)に強烈なパンチを見舞う拳四朗(撮影・河野匠)
ロペス(手前)に強烈なパンチを見舞う拳四朗(撮影・河野匠)
新チャンピオンとなった拳四朗(左)は父の寺池会長とポーズを取って喜ぶ(撮影・横山健太)
新チャンピオンとなった拳四朗(左)は父の寺池会長とポーズを取って喜ぶ(撮影・横山健太)


◆WBO世界ライトフライ級タイトル戦

 王者田中恒成(21=畑中)が初防衛に成功した。16戦16勝で16KOと無敗を誇った同級1位アンヘル・アコスタ(26=プエルトリコ)とフルラウンド戦い、3-0の判定で下した。田中はプロ戦績を9戦9勝(5KO)とした。



田中恒成(21=畑中、同級王者)判定勝ち×アンヘル・アコスタ(26=プエルトリコ、同級1位)

<1回>互いに積極的な攻めでスタート。

<5回>田中が先にダウンを奪う。

<8回>両者さらに激しい打ち合いに。田中の足もふらつき始めた。

<12回>両者譲らず判定へ。3-0で田中に軍配が上がった。

5回、アコスタ(左)の顔面に右ストレートをヒットさせ、ダウンを奪う田中(撮影・田崎高広)
5回、アコスタ(左)の顔面に右ストレートをヒットさせ、ダウンを奪う田中(撮影・田崎高広)
試合後、リング上に田口(左)を呼び寄せ、統一戦の実現を呼びかける田中(撮影・田崎高広)
試合後、リング上に田口(左)を呼び寄せ、統一戦の実現を呼びかける田中(撮影・田崎高広)