<プロボクシング:日本フライ級王座決定戦10回戦>◇5日◇東京・後楽園ホール◇1600人

 前王者清水智信(金子)の返上で空位になった王座決定戦は、WBC世界同級11位の五十嵐俊幸(帝拳)が日本同級1位の小林タカヤス(川島)に3回2分7秒、TKO勝ちして王座を獲得した。サウスポーの五十嵐は、1回から伸びのある右ジャブで距離感をつかみ優勢に。3回中盤すぎ、左フックから一気に畳み掛けたところで、レフェリーが試合を止めた。

 五十嵐はアマ出身で、04年アテネ五輪にも出場した。プロ転向後、08年に獲得した同級暫定王座は、東京農大の先輩でもある清水との王座統一戦に敗れ、失っていた。プロでは挫折も味わい、正規王座獲得まで5年を要したが、回り道とは思っていない。「いろんなことを経験した上でここ(王座)に立っているので満足です」。9カ月になる長男比呂くんが、初めて試合を観戦したことも、発奮材料になった。