<ゼロワン:10周年記念興行>◇6日◇東京・両国国技館

 「破壊王子」橋本大地(18)が、父真也さん(享年40)の興したゼロワンでプロレスラーとしてデビューした。父と闘魂三銃士を組んでいた蝶野正洋(47=フリー)とシングルで対決。05年7月に急死した父のトレードマークだった鉢巻きを巻き、父のテーマ曲「爆勝宣言」に乗って入場した。

 開始のゴングが鳴ると、大地は気迫の攻撃でファンを沸かせた。空手仕込みの左ミドルキックを8連発。蝶野に平手打ちを見舞う場面もあった。さすがに蝶野の壁は厚く、脳天くい打ち2発、ケンカキック、さらにSTFと畳み掛けられて敗れた。「まだ練習していた技があったので、それが出せなかったのが心残りです」。悔しさを押し殺しながらも、戦い抜いた達成感からか、笑顔もこぼれた。

 試合後には、闘魂三銃士のもう1人、武藤敬司がリングに上がった。「大地、次は俺とだ!」。対戦を表明された大地は「今はまだ考えられない」と苦笑いしていた。