<ノア・東京大会>◇27日◇東京・日本武道館◇1万1500人

 グローバルタッグリーグ(GTL)戦は、伏兵の斎藤彰俊(42)バイソン・スミス(34)組が初代王者に輝いた。勝ち点8で迎えたこの日、同9の三沢光晴(45)小川良成(41)組と対戦。斎藤が小川を17分16秒、スイクルデスからの片エビ固めでフォールし、劇的な逆転優勝を飾った。斎藤は秋山準(38)と組んで02年9月に獲得したGHCタッグ王座以来、5年7カ月ぶりにノア頂点に立った。

 1カ月に及ぶ長丁場を制したのは無印コンビだった。斎藤とスミスは最終戦でも疲労を見せなかった。優勝候補の三沢、小川組を、スピードとパワーで圧倒し続けた。直前の試合で勝ち点9の秋山、力皇組が佐々木、中嶋組に敗北。めぐってきたチャンスを見事に生かした。「あきらめなければ報われるということを実感した」と斎藤は言った。

 大会1カ月前から準備した。パワーファイターのスミスとのコンビネーションを生かすため、斎藤はスピードを磨いた。125キロの体重を10キロ減量。運動生理学の本を読みあさり、筋力を落とさずに減量効果のある有酸素運動を取り入れた。「スミスがパワーで押して、自分はスピードと持久力で対応した」(斎藤)。戦略の勝利だった。

 試合後はGHCタッグ王者の杉浦、丸藤組に挑戦を表明。王者組も受け入れた。久しぶりにベルトも視野に入ってきた。「これから天に向かって突き進みたい」と斎藤は再躍進に手ごたえを感じていた。【塩谷正人】