北京五輪柔道100キロ超級金メダリスト石井慧(22=国士舘大4年)が4日、総合格闘家としての武者修行のためにブラジルに出発した。出発の約1時間前になって成田空港に到着した石井は「すごい楽しみで昨日は眠れなかった」と、高まる気持ちを抑えきれない様子だった。

 当初はブラジルに約4週間滞在して、米国総合格闘技団体UFCで6連勝中のLYOTO(リョート・マチダ、30)の父親が開いている道場と、初代PRIDEヘビー級王者アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(32)の元で、2週間ずつ練習する予定だった。だが、石井は「できるだけ長くできればと思っています。向こうでビザを取り直します」と、期間の延長を希望。約4週間ずつの最長で計2カ月間滞在で、世界トップレベルの「打撃」と「寝技」を体得する計画だ。

 今月20日には国士舘大の卒業式が控えるが、石井は「(3月の)卒業はできないということなので」と、出席するつもりはない。今後については大学側と話し合いながら決めるという。「長所をさらに伸ばして、短所をなくすようにしないと」。今秋の格闘家デビューだけに目を向けている。【浜本卓也】