<新日本:東京大会>◇4日◇東京ドーム◇4万1500人
IWGPジュニアヘビー級タイトルマッチは、挑戦者丸藤正道(30=ノア)が王者タイガーマスクを撃破。主要3団体のジュニア王座をすべて獲得する史上初の快挙を達成した。
故三沢光晴さん(享年46)にささげるメジャー3団体のジュニア完全制覇だ。タイガーマスクとの激闘を終えた丸藤は、しみじみと語った。「今日は三沢さんも2階の上の方から、酒飲みながら普通に見てたんじゃないかな。拍手くらいしてくれてると思う」。付け人を務めたかつての恩師に偉業を報告した。
最後の技は三沢さんを倒すために編み出したタイガーフロージョンだった。三沢さんの必殺技タイガースープレックスと、エメラルドフロージョンを合体させた天才丸藤ならではの技術だ。相手は2代目タイガーマスクとしても活躍した三沢さんの流れを受け継ぐ4代目タイガーマスク。「これもなんかの運命。自分が出せる最高の技で倒せてうれしい」と振り返った。
苦しい1年を乗り越えた。昨年3月の有明大会で右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂の重傷を負った。必死にリハビリに励んでいた6月、ノアの象徴三沢さんがリングで亡くなった。団体最大のピンチにリングに立てず「何もできない自分にもどかしさを感じていた」と悶々(もんもん)とした日々を過ごした。7月、ノアは三沢さん亡き後の新体制を発表。三沢さんの遺言で副社長に抜てきされた。復帰に向けたトレーニングと並行し、経営学の本などを読み、田上明新社長をサポート。新生ノアを陰ながら支えた。
同12月に復帰後は、それまでのうっぷんを晴らすように大活躍した。新日本のスーパーJカップに電撃参戦し、田口隆祐、プリンス・デヴィットといった強豪を次々と撃破し優勝。この日の挑戦にこぎつけ、新日本ジュニアの象徴たるタイガーマスクをも破った。「ノアではタイトル戦をやらない。おれが出向いて新日本のジュニアを盛り上げる。おれから取り返すのは難しいでしょうね」。団体の枠にはおさまらない丸藤が、日本プロレス界の台風の目になりそうだ。【塩谷正人】


