小島聡、娘に伝えたい生き様/王者の素顔
全日本の3冠王者・小島聡(39)は、今年でキャリア19年目を迎えた。「アラフォー」世代を強く意識し、同年代に共感してもらえるような等身大の王者像を思い描いている。プライベートでは子育てに奮闘。「明るく元気に」がモットーの小島であって、も常に悩み苦しみ、もがいていることも明かした。来年7月に控えるデビュー20周年までの防衛成功を目標に掲げる3冠王者が本音を語った。
2度目の戴冠を果たした小島は今年9月に40歳となる。レスラー生活15年で初めて団体トップに立った34歳での3冠王座奪取時とは心境が違うという。
小島 20歳でプロレスを始めて(シングル王座奪取まで)時間がかかった。遅咲きと言われた。でも長くやってきて、多くの人に見てもらい、自身の人生と重ね合わせて見てくれた。だから逆に時間がかかって良かったと思う不思議な感覚もある。今回はアラフォー世代。初詣でで前厄だと知って驚いた。一般社会でも一番世代的に苦しい時期。自分はプロレスで、それを乗り越えていくことを伝えていける存在になりたい。
全日本では、上に絶対的な存在、武藤敬司がいる。下にも次々と有望選手が育ちつつある。一般社会の「中間管理職」の立場にいる。
小島 5年前の初戴冠時に入門もしていない選手が上がってきている。追われる立場。ボクは古い世代だけど、それはプロレス界だけじゃなく一般社会も同じ。若い世代の壁になるのは大きなテーマ。「負けてたまるか」と自分と同じ世代で違う仕事をしている人たちにも良い励みになるような試合をしていきたい。逆に同年齢の人が応援してくれるのは自分の励みになる。
「明るく元気に」がモットーの小島だが、同世代と同じ苦悩もある。
小島 公私で不安になることがある。意外と暗い一面もあります。生きている以上、弱音を吐きたい時もある。でも吐いちゃいけないという葛藤(かっとう)もある。悩みはたくさんありすぎて言えないぐらい。プロレスは悩んで落ち込む一面も見せていいと思う。でも基本は元気なところを見せたい。なるべくポジティブに受け止めてね。
自らの生きざまを伝えたいと考える。ブログでは3歳の娘との触れ合いも書き込んでいる。
小島 プロレスラーって不規則な仕事。多忙の時もあれば、練習を除けば家にもいられる。ただダラッとしていたいけど、妻が一生懸命、家事をやっていると見ているわけにもいかないし、申し訳ない。3歳は一番良い時でもあるし、手もかかる時だから。娘と散歩もするし、お風呂当番は自分。最近、父親がプロレスラーであること分かっているみたい。「試合に行くの?」とか言う。DVDもみてますし。娘に良い影響があれば何か伝えたいと思う。
来年7月にはデビュー20周年を迎える。
小島 前回は8度防衛できた。今回はそれ以上続けて、20周年まで防衛して何かメモリアルなことを成し遂げたい。自分が王者になってから急に挑戦したいヤツが増えた。特に若いヤツばかり。うれしくもあり、逆に簡単に取れそうとみられているのかと。自分の経験をさらけ出して戦う。【構成・取材=藤中栄二】
<小島に5つの質問>
Q1 休日の過ごし方 娘の相手がメーン。ただ趣味といえばプロレスラーになっても一プロレスファン。全日本以外も他団体、インディー団体、デスマッチも含めてすべて好き。
Q2 尊敬する人 両親。中学時代、反抗期で母に迷惑をかけました。娘をもったことで、親は素晴らしいことがあらためて分かった。
Q3 座右の銘 「一期一会」。特に2~3年前から出会った人を大切に、と思うようになった。
Q4 子供のころの夢 プロレスラー。小学4、5年から藤波さん、長州さん、タイガーマスクを見ていた。
Q5 好きなテレビ番組 大食いの番組。大食い選手権で、人がたくさん食べているところを見ると、自分が幸せな気持ちになれる。
◆小島聡(こじま・さとし)1970年(昭45)9月14日、東京都生まれ。2年間のサラリーマン生活後、91年2月に新日本入門。同年7月16日の山本(現天山)広吉戦でデビュー。94年ヤングライオン杯で、史上初の全勝優勝。海外修行を経て96年1月にがい旋帰国。IWGPタッグ王座に3度輝く。02年に全日本へ移籍。世界最強タッグは02、03年、チャンピオンカーニバルは03年に優勝。05年は3冠、IWGP王座を獲得し、プロレス年間MVPも受賞。昨年9月、高山善広を倒して2度目の3冠王者に。得意技はラリアット。183センチ、112キロ。
[2010年1月31日9時21分 紙面から]
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