プロボクシング元WBC世界フライ級王者で現WBA世界バンタム級2位の比嘉大吾(30=志成)が8日、東京・目黒区の所属ジムで練習を公開した。20日、東京・両国国技館で同級1位増田陸(28=帝拳)との同級王座決定戦を控える。公開練習ではシャドーボクシング、サンドバッグ打ち、壁掛け式バッグ打ちを1ラウンドずつ披露した。

昨年7月、当時のWBA世界同級王者アントニオ・バルガス(米国)に挑戦し引き分けて以来、約1年ぶりのリングとなる。比嘉は「順調に良い状態。モチベーションも高く、ハードな練習をこなすことができた」と自信をのぞかせた。

日本人初となる4戦連続の世界挑戦となる。試合後は現役引退の意向を示したが、昨年10月には「進退保留」と現役続行の可能性を示唆。今年4月から本格的にジムワークに戻ってきた。過去3度の世界戦は1敗2分けとあと1歩届かなかった。

比嘉は「(過去3戦の世界戦は)全部懸けてきたものがあった。今回懸けているし、(練習)スタートしてからの気持ちは練習の取り組み、もう一度世界王者になりたいというのが今まで以上にあったから良い調子に仕上がったと思う。そこは試合当日楽しみにして、自分に期待している」と気合を入れ直した。

6月19日のカード発表時、正規王者はジェシー・ロドリゲス(26=米国)だったが、最新ランキングでスーパー王者に昇格。正式に空位となった。比嘉は「タイトルがなかろうが、ファイトマネーは変わらないので。僕のモチベーションは高い」と笑顔。WBA同級休養王者には昨年2月に引き分けた堤聖也(30=角海老宝石)もいる。比嘉は「勝てば(ロドリゲス、堤の)どちらとも。与えられた方でやります」と自然体を貫いた。

総スパーリング数は計80ラウンドながらも、マスボクシング(軽めのスパーリング)を多めに消化。約1年ぶりのリングとなるが、野木丈司トレーナー(66)は「スタミナも感覚も戻り、世界戦をやるにふさわしい状態です。どれだけこちらの土俵でやれるかがポイントになる。だいぶ(増田の)対策、研究もしてきた。それが出ればいい」と期待を寄せた。

18年4月、自身の体重超過でWBC世界フライ級王座を剥奪(はくだつ)されて以来、8年3カ月ぶりの世界王座への返り咲きを目指す。勝てば高山勝成の持つ5年11カ月を大幅に上回る国内最長ブランクの返り咲き記録となる。世界2階級制覇を狙う舞台でもある。

拳を交えるサウスポー増田は左ストレート、右フックを武器とし、KO率も81%と高い。比嘉は「1発のパンチやスピードは過去1番の相手だと思う。ミスができない。1個のミスで流れが変わるし、そこじゃないかと思う。お互いにパンチがあるので。KOになる試合だと思う」と気持ちを引き締めていた。【藤中栄二】