ボクシング界が暴力団排除へさらなる強化を図る。日本ボクシングコミッション(JBC)と日本プロボクシング協会が、一体となって暴力団排除協議会を設立することが8日、分かった。12日の東日本ボクシング協会理事会で協議を始める。

 角界は暴力団問題で存続危機に陥っているとも言える。JBC安河内事務局長は「社会に排除が急激に浸透した。相撲は大衆娯楽の中でつやっぽさが許容されてきたが、もはやいかなる付き合いも許されない」と話す。続けて「スポーツは青少年に夢を与えるもの。対岸の火事ではない。襟を正すだけでなく形にしていかなければ」と協議会設立を訴えた。

 JBCでは07年から暴力団排除に取り組んできた。チケット優先販売、IDカードや駐車券の配布禁止などを全国の約300のジムへ協力を要請。2年前には、世界戦で入場禁止の張り紙や入場券に明記を実現した。今や会場の雰囲気も一変している。安河内事務局長は「今まではプロモーターにお願いの形だった。協会と一体となって業界としてのムーブメントをつくりたい」。日本協会の大橋会長も「以前とは全く違う環境に改善された。今や関係者は1人もいないが、さらに強化したい」と意見が合致した。

 東日本協会を中心に協議に入り、協議会設立後には法的整備などを進める。