<プロボクシング:最強後楽園バンタム級8回戦>◇5日◇東京・後楽園ホール◇観衆2400人

 ボクシングの日本タイトル挑戦権が懸かる「最強後楽園

 決勝戦」が行われた。

 バンタム級では高校アマ3冠の日本同級4位岩佐亮佑(20=セレス)が同級1位臼井欽士郎(30=横浜光)に4回1分8秒TKOで完勝。セレスジム初の王者誕生に王手をかけ、今大会の最優秀選手を受賞した。岩佐の戦績は8戦全勝(6KO)。なお、敢闘賞はミニマム級優勝の田中教仁(25=ドリーム)が、技能賞はミドル級を制した氏家福太郎(29=新日本木村)が受賞した。

 この瞬間を待っていた。サウスポーの岩佐は臼井を左ストレートからの連打で4回TKOで下すと、リング上で「勝った!」とセレス小林会長と抱き合った。「今までの試合で一番うれしかった」。日本王座への挑戦権だけでなく最優秀選手賞も手にし、さらにほおを緩めた。岩佐は中2で同ジムに入門し、会長の助言で進学した習志野高(千葉)で高校アマ3冠を獲得。今は週6日、整形外科で助手の仕事をしながら腕を磨く。この勝利で03年11月のジム開設後初の王者誕生にリーチがかかり「ちょっと重圧です」と苦笑しつつ「チャンピオンは夢。勝てるよう練習してジムの起爆剤になりたい」。会長が「世界王者になれる器」と期待する無敗の新鋭岩佐が、セレスジムの歴史を切り開いていく覚悟を口にした。