WBC世界フェザー級王座を奪取し、日本人初の“飛び級”2階級王者となった長谷川穂積(29=真正)はブルゴスとの激闘から一夜明けた27日、山下会長、WBC世界スーパーフェザー級新王者粟生隆寛(26=帝拳)、帝拳ジムの浜田代表と会見を行った。

 長谷川の初防衛戦がメキシコ開催となる可能性が浮上した。対戦相手の最有力候補、同級3位ジョニー・ゴンサレス(29)はメキシコの人気者。長谷川の世界戦をプロモートする帝拳ジム・本田会長は「(メキシコは)ゼロじゃない。なんせゴンサレスは人気がすごいからね」と語った。

 本田会長の大本命プランは、長谷川に同スーパーフェザー級王者粟生隆寛、同スーパーバンタム級王者西岡利晃の“帝拳王者コンビ”を合わせた「日本でのトリプル世界戦」だ。粟生の相手は同級4位グティエレスが有力。西岡の6度目の防衛戦相手には、4月に長谷川を破った3階級王者モンティエルの名前が挙がる。「こんな機会はなかなかない。時期は来年3月。会場を探すのが大変だけどね」と意欲を語った。

 ただ、3大マッチ実現へ“障害”の1つが、ゴンサレスの存在。昨年5月に西岡がゴンサレスを3回TKOで破った2度目の防衛戦も、メキシコ側が大金を積んで同国開催にこぎつけた経緯がある。今後の交渉次第で何が起きるか分からない-というわけだ。

 長谷川はかねて米国ラスベガス進出の野望を抱いているものの、海外のリングに上がった経験はない。日本人初の“飛び級”2階級制覇達成から一夜明けたこの日、初防衛戦について「どこでやるかはちょっと分からない。(真正ジムの山下)会長に任せます」と話すにとどまった。【加藤裕一】