「亀はめ波」で3階級制覇して王座統一戦や!

 26日のWBA世界バンタム級王座決定戦で日本初の3階級制覇に挑む亀田興毅(24=亀田)が16日、都内で練習を公開。フライ級から2階級上のバンタム級対策として、興毅はスピード強化のために漫画ドラゴンボールの主人公のように重りをつけて練習をしていたと明かした。また同級5位アレクサンデル・ムニョス(31=ベネズエラ)撃破で王座獲得後には、来年2月に対戦予定のWBC、WBO世界同級王者モンティエル(メキシコ)対元2階級制覇王者ドネア(フィリピン)の勝者と統一戦を行いたいと、夢プランをぶち上げた。

 飛び級で3階級制覇の鍵は「孫悟空」にあった。これまでの主戦場であるフライ級より2・7キロ重いバンタム級。パワーで対抗するのは厳しく、興毅も「パンチ力はムニョスが上」と認める。そこで「アウトボクシングというか、出入りをしてチャンスが来たらパンチをまとめる」と勝機を速さに見いだし「よりスピード、足の動きがいる。いつも以上に疲れるからな」と強化ポイントに挙げた。

 そこで取り組んできたのが「ドラゴンボール」トレーニングだ。10月中旬から10キロのベストを着て、両足首に5キロずつの重りを装着し、ボディーミット打ちとシャドーボクシングを行ってきた。漫画「ドラゴンボール」の主人公孫悟空が亀の甲羅を背負ってトレーニングしたように、興毅も計20キロ増でスピードとスタミナの強化を図ったという。

 公開練習後、亀の甲羅ならぬ「亀の修行着」を装着すると、スピード感あるシャドーを披露。「ドラゴンボールの世界へようこそ」と笑い、かめはめ波ポーズを取った。「軽いパンチでもパワーがあるから、1発もらったらさんずの川が待ってる」と油断はしていない。だが「良い感じにきてるな」と自信も見せた。

 3階級制覇を達成できれば、「ドラゴンボール」に負けない壮大なストーリーを描いている。「(王座を)取ったら次は大きな試合をしたい」と言う興毅は、来年2月に米国で予定のWBC、WBO王者モンティエル-ドネア戦観戦を宣言。

 面識あるドネア勝利を予想すると「おれが取れば3団体統一戦ができる。ドネアと戦うならモンティエルの方がいいかなあ。(長谷川を倒して)日本で知られてるし」と天下一武道会ばりの王座統一戦構想をぶちまけた。

 そんな物語もムニョス戦次第では夢で終わる。「結果を残さんと何も始まれへん」と興毅も承知。「中盤から後半にチャンスが訪れると思うから仕留めたい」。「亀田祭り」の主役は青写真通りに3つ目の王座をつかみ、新たな物語の幕を開けるのか-。【浜本卓也】