<プロボクシング:WBA世界スーパーウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇5日(日本時間6日)◇米ネバダ州ラスベガスMGMグランド・ガーデン

 世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(35=米国)が、元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(米国)超えを果たした。世界3階級制覇王者でWBA世界スーパーウエルター級王者ミゲール・コット(31=プエルトリコ)に挑戦。圧倒的なスピードと鉄壁の防御で、最大8ポイント差の3-0の大差判定勝利で、8個目の世界タイトルを獲得した。ファイトマネーは3200万ドル(約25億6000万円)で、97年6月、タイソン-ホリフィールド戦のタイソンの3000万ドルを上回り、史上最高額になった。メイウェザーの戦績は43戦全勝(26KO)。

 35歳になっても「時空を超えるスピード」は衰えていなかった。メイウェザーはわざとロープを背負い、上体をうまく使って、数センチでコットのパンチをかわした。攻撃に転ずるとガードのわずかな隙間からフック、アッパーをねじ込んだ。4歳下で連打と強打力を持った世界3階級制覇王者に何もさせず、大差判定で完勝した。

 スーパーフェザー級(58・9キロ以下)から、この日の2度目のスーパーウエルター級(69・8キロ以下)を含め計8個目の世界タイトルを獲得。テレビ解説を務めたWBC世界バンタム級王者の山中慎介(29)は「断トツのスピード。見ていて美しい。芸術的だった」とうなった。

 特例の試合だった。昨年12月、元恋人への暴行容疑で逮捕。1月初旬から禁錮90日の実刑判決を受けていた。だが、コットとのビッグマッチ決定で、裁判所は6月1日に収監を延期。コミッションからも1試合限定でライセンスを発行された。芸術的なボクシングで公共機関を動かした悪童は、収監前最後の試合もしっかり魅せた。

 ファイトマネーは97年6月のタイソンを超え、史上最高3200万ドル(約25億6000万円)に達した。ヘビー級にスター不在の中で中量級のメイウェザーが本場米国のボクシングを支える。数年前から世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)戦が期待されているが交渉は難航。「ファンが何を求めるのか考えましょう」とパッキャオに訴えかけたが、自身の収監もあり、スーパーファイトの早期実現は難しそうだ。

 ◆ファイトマネー

 メイウェザーが史上最高3200万ドル(約25億6000万円)を獲得した。これまでの最高額は、97年6月、ヘビー級のマイク・タイソンがイベンダー・ホリフィールドと2度目に対戦した時の3000万ドル。現時点でのファイトマネーは約1万6000人と超満員だった入場料収入と世界各国のテレビ放送権料などから換算した最低保障金額で、これにPPV(ペイ・パー・ビュー)の売上金が加わる。最終的なファイトマネーの最高額は07年5月にメイウェザーと戦ったデラホーヤの4500万ドル。関係者によるとデラホーヤ超えも確実だという。

 ◆フロイド・メイウェザー

 1977年2月24日、米ミシガン州生まれ。96年アトランタ五輪で銅メダル。96年プロ転向。98年10月にWBC世界スーパーフェザー級王座獲得。その後もライト、スーパーライト、ウエルター級の世界王座を獲得。07年5月にはデラホーヤを破ってWBC世界スーパーウエルター級王座を獲得し5階級制覇。08年に引退も、09年5月に復帰。173センチの右ボクサー。