<新日本:G1クライマックス24>◇1日◇東京・後楽園ホール<テレビ朝日・野上アナの実況席から>

 後藤洋央紀(35)が08年のG1で初優勝したときのインタビューが印象に残っています。「この優勝を誰に伝えたいか?」という質問に「今は別々に戦っているけど、誰よりも柴田に伝えたい」と高校時代のレスリング部の同級生、盟友柴田勝頼の名前を挙げたんです。

 当時、柴田が新日本を飛び出していったことを、快く思っていない人もいるわけで、名前を出すことはタブー。それを知りながらあえて名前を出した。その事実が胸を打ちました。新日本で戦い続ける後藤が、あの発言をしたというのは、心からの素直な感情であったにほかなりません。

 苦労人で、G1優勝以降、IWGP王座に挑戦すること7度。でもあと1歩届かない。ボクは後藤に足りない最後のワンピースは柴田が持っているような気がするんです。だからこそ、昨年実現できなかった2人の対決をG1決勝で…。と、期待するファンも少なくないはずです。