<プロボクシング:バンタム級4回戦>◇21日(日本時間22日)◇メキシコシティー

 亀田兄弟の三男和毅(ともき=17)がプロデビュー戦をKO勝利で飾った。アレハンドロ・モレノ(18=メキシコ)と対戦し、1回に右ストレートでダウンを奪うと、2回には連打からの右フックで同回2分8秒KO勝ちした。昨年8月からメキシコに渡り、本場でもまれてきたことで、平常心で自分の力を出した。デビューから1~2年で世界挑戦した兄たちとは違い、今後もメキシコに拠点を置き、研さんを積む予定だ。

 豪快に倒した。和毅は1回に右ストレートでダウンを奪取。2回には左ボディー、アッパーのコンビネーションから、打ち下ろしの右フックで、相手を仕留めた。実力不明の相手とはいえ、2人の兄同様、デビュー戦をKOで飾った。

 メキシコで30戦のアマチュア経験が生きた。プロ初戦でも終始、落ち着き、平常心を失わなかった。「緊張しなかった。相手のパンチもよく見えた」。昨年8月からメキシコに拠点を置いたことが、人生の転機になった。1泊1800円での厳しい環境に身を置いたことで、精神的にも成長した。

 昨年12月のアマ大会「ゴールデングローブ」決勝では判定負けし、優勝を逃した。「ハートの強さが足りない。もっと鍛えていかないと」。初黒星を経験し、貪欲(どんよく)さも増した。この日の試合後も「まだまだ練習通りのパンチが出ていない。もっと練習しないと」と謙虚に言った。

 「目標は世界チャンピオン。もっと強くなりたい」。長男興毅はデビューから約2年8カ月、次男大毅はわずか1年8カ月で世界挑戦した。だが、和毅は世界奪取を焦るつもりはない。しばらくはメキシコに拠点を置いたまま、しっかりとプロで実戦経験を積んでいく。