若さの勢いが止まらない。新入幕で東前頭14枚目の阿武咲(20=阿武松)が、初日の黒星発進後、2日目から5連勝。全勝の両横綱を1差で追う、1敗力士3人の中に割って入った。

 この日は三役経験もあり、同じ突き押し相撲の西前頭12枚目琴勇輝(26=佐渡ケ嶽)が相手。だが立ち合いで変化したのは、挑戦を受ける側の琴勇輝の方だった。それに対し、阿武咲は冷静。左に飛んだ相手をよく見て、体が流れたのはわずかだけ。瞬時に相手に正対し、もろ手突き2発、時間にしてわずか1秒8で169キロを突き出した。

 表情一つ変えずに話すコメントにも、強気な姿勢がほとばしる。相撲同様、自信の言葉は初日から崩れない。三役経験者が相手でも「土俵に入っている以上、力の差はない。勝ちにこだわるだけです」。琴勇輝とは全くの初対戦だったが、対戦する幕内力士の相撲は「全部、頭に入っています」と話し、気後れなども「ないです」と即答。「もっと上を目指したい。(次の相撲を)早く土俵に上がって取りたい」と自信の言葉を並べていた。