体づくりにはタンパク質の摂取が欠かせない。スポーツで勝つためには、肉体強化に必要な筋肉や骨、血液のもとになる食材を食べることがカギとなる。「勝ちＤＯＮ」はハンバーグ、チキン南蛮、白身魚フライ、卵、豆から計５種のタンパク質が取れる、まさに“勝負メシ”。川端さんは「これだけタンパク質が豊富なお弁当はないと思います。体づくりだけでなく、疲労回復にもつながるメニューです」と自信を見せた。

　タンパク質だけでなく、夏バテや紫外線予防がある緑黄色野菜を約100グラム盛り込んだ。抗酸化作用のある、ブロッコリーやパプリカなどを組み合わせたことで、体づくりの効果をアップさせる。緑黄色野菜は１日約120グラム取ることが理想とされるため、１食で８割を補える。

　夏は暑さから食欲不振になる選手が多いため、「丼（ＤＯＮ）」にこだわった。「丼は食べやすく、不思議と箸が進みます。夏こそ、がっつり食べることが大切で、骨や内臓から鍛えることが重要です」と川端さん。特に、柔道や競泳などの体幹を鍛える競技や、バスケットやラグビーなどの相手と衝突する競技の選手に効果的という。

　さらに、弁当と一緒に乳製品を組み合わせると「完璧」になる。弁当で５種のタンパク質が取れ、チーズやヨーグルトなどの乳製品を加えると、全タンパク質を補える。川端さんは「体づくりの基本のお弁当です。子どもが好きな食材を取り入れ、満足感もあり、野菜嫌いの子でもきっと食べられると思います。エネルギー消費が激しい夏こそ、考えてしっかり食べましょう」と呼びかけた。

　アスリートめしは、イオンリテールと日刊スポーツが共同開発した。昨年10月、両社の「ジュニアアスリートを応援したい」との考えが一致し、初コラボが実現。本紙で食育連載「勝ごはん」を執筆中の川端さんが監修し、弁当開発を８カ月進めた。第１弾は、「スタミナとエネルギー」をテーマに「勝ちうどん弁当」（６月１日〜２８日）を販売した。

　◆川端理香（かわばた・りか）４月27日生まれ。04年アテネ五輪ビクトリープロジェクトチーフ管理栄養士。08年北京五輪全日本男子バレーボールをサポート。プロ野球選手やプロサッカー選手を始め、柔道やスケート、テニスなどのサポートも行う。著書は「10代スポーツ選手の食材辞典」「10代スポーツ選手の栄養と食事」など。スポーツ栄養・食育サイト「アスレシピ」（https://athleterecipe.com）でコラムを執筆中。