昨年のAKB48じゃんけん大会に優勝した田名部生来(24)が8日、東京・秋葉原で行われた3期生のデビュー10周年公演で、グループ卒業を発表した。

 アンコールで昔話に花が咲く中、田名部は涙声で申し訳なさそうに一大決心を切り出した。「楽しいムードの中、申し訳ないんですが、私から一つ、発表があります。私、田名部生来はAKB48を卒業します」。1年以上前から卒業を考えていたといい、「大好きなメンバーの前で発表することを胸に刻み、必死に頑張ってきた」と、この日の発表の理由を明かした。

 ソロデビューを果たした柏木由紀(25)、選抜総選挙1位になった渡辺麻友(23)らの陰に隠れながら、漫画や特撮の知識などで頭角を現した、3期生きっての個性派だった。地道な活動を続け、14年の総選挙では71位に初ランクインし、ファンに「ありがとうございました」と土下座で感謝。昨年はじゃんけん大会で初優勝し、ユニットのセンターとしてシングル曲「逆さ坂」を発売した。「立派な同期の中で日の目を浴びない10年間だったけど、去年はじゃんけんで優勝させていただいて、まさか総選挙で71位にも入って」と涙で振り返り、「いつまでもAKBに甘えては、夢かなわないと思う。卒業生にも勇気をもらったし、大好きなメンバーたちの前で発表できるのが幸せ」と再び涙を流した。

 デビューした当時のチームのキャプテンだった浦野一美(31)は「聞いてなかったけど、(発表することに)気付いてたよ」と明かした。13年に卒業し、声優として活躍している仲谷明香(25)は「早くこっちに来なよ。ここも楽しいけど、(AKB48から)出たところも楽しいよ」と背中を押した。

 卒業公演の日程などは未定で、インドネシア・ジャカルタでタレントとして活動する仲川遥香(25)は「卒業公演、私も呼んで! 仕事がないと日本に帰れないから」とねだっていた。