AKB48グループが9日、東京・渋谷のアイア2・5シアタートーキョーで舞台「ロミオ&ジュリエット」初日を迎え、本番前に通し稽古を報道陣に公開した。

 男女の悲運の恋愛を描いた世界的な戯曲を、映画監督堤幸彦氏の演出でコメディー要素を加えた。白組、黒組に分かれたダブルキャストで、この日はロミオ役をHKT48神志那結衣(20)ジュリエット役をAKB48/STU48岡田奈々(20)が演じる白組が稽古に臨んだ。

 男役をイメージしてオーディションに臨んでいた岡田は「まさかジュリエットという女性を演じるとは思わず、ビックリしました。でも、身長的に(神志那の方が高く)、ジュリエットで良かった」と明かした。劇中では中指を立てたり、たんを吐いたりと、男性っぽいキャラを演じており、「かわいい女の子というより、強気で下品な女の子の役。乙女とヤンキーのギャップで頑張りたい」と意気込んだ。

 ロミオという大役を射止めた神志那も、「ジュリエットとロミオが逆じゃないかと、ファンの方からも指摘が多かったです。でも、稽古を重ねていいくうちに、自分ロミオでよかったと思えました。堤さんのセンスですね」と演出の腕に脱帽した。15年に博多座で行われた「HKT48指原莉乃座長公演」以来の舞台で、「全力を尽くして、楽しんで頑張ります」と誓っていた。

 岡田は神志那との相性も抜群で、「ロミオがかっこいいので、本読みの段階から好きになっちゃいました」とラブラブ宣言。「よくご飯にも一緒に行ったよね」と2人で目を合わせると、10日に初日を迎える黒組でロミオ役の藤田奈那(21)ジュリエット役の福岡聖菜(17)は「出遅れた! 今から行こうか?」と焦っていた。宝塚歌劇団のファンでもある藤田は「兵庫の劇場にも行くくらい、宝塚が好きで、参考にさせていただきました。街で人間観察もしました。急いでるときこんな感じとか、勉強になりました」と役作りを明かした。

 もともとはAKB48加藤玲奈(20)が例年、メンバーを選抜してプロデュースする「れなっち総選挙」の流れで行った企画で、今年は「劇団れなっち」を発足した。加藤は劇団の座長として、舞台では前説を務める。稽古場にもちょくちょく顔を出していたといい、「(稽古場を)仕切ってはいないですけど、最初のころよりみんなどんどん成長していて、刺激を受けました」と驚いていた。

 「れなっち総選挙」は、過去にシングルのカップリング曲のミュージックビデオや、写真集を発売するなど、メンバーに多くのチャンスがもたらされてきた。第4弾の可能性を聞かれると、加藤は「もしやるとしたら…なんですかね? 機会があるなら、みんなの夢が広がるような何かをしたい。(アイデアが)苦しくはなってきているけど、ファンの方に『やってやって』と言われたら、もしかしたらやるかもしれないです」と含みを残した。