AKB48グループが、リセットされた。24日、東京・Zeppダイバーシティで、「AKB48グループ大組閣祭り~時代は変わる。だけど、僕らは前しか向かねえ!~」を開催。乃木坂46の生駒里奈(18)がAKB48チームBとの兼任になり、SKE48のエース松井玲奈(22)が乃木坂46と兼任となった。公式ライバルと初めてのメンバー交流だけでなく、人気メンバーの完全移籍など過去最大の大異動劇。正式異動の時期は未定だが、メンバーたちは戸惑い、涙した。

 右拳を突き上げ、ジャンプし、大声を出しても、複雑な表情は消せなかった。イベントのエンディング。新曲「前しか向かねえ」(26日発売)を100人以上で歌ったが、誰もが心ここにあらずだった。AKB48グループ総監督の高橋みなみ(22)ですら、「(大組閣を)なめてました。『意味が分からない』と言ってしまえばそれまでだと思います。ですが、それを言い切りたくないのも事実です」と涙を浮かべた。込み上げる怒りと、メンバーをまとめようとする責任感のはざまで揺れていた。

 大異動の象徴は、乃木坂46からのメンバー加入だった。乃木坂46の中心メンバー生駒が「交換留学生」としてAKB48チームBに加入。SKE48のエース松井玲は、同様に乃木坂46へ。互いに所属グループとの兼任という形だが、48グループ以外との人事交流は初で、会場には「エエエエ~ッ」とどよめきが起こった。生駒は1月下旬、日刊スポーツの取材に「もしAKB48さんと兼任になったら、私は行きたい。乃木坂46のために、いろいろなものを学んで持ち帰りたい」と答えていた。

 他にも驚きの人事が相次いだ。元AKB48の人気メンバー、宮沢佐江(23)はSNH48との兼任でSKE48チームSのリーダーに就任。AKB48チームBキャプテン梅田彩佳(25)も、NMB48チームB2に副キャプテンで完全移籍。一方で「SKE48の次期エース」と呼ばれていた木崎ゆりあ(18)は、AKB48チーム4に完全移籍した。

 かつてない事態…高橋は、動揺し続けるメンバーと自分自身に言い聞かせるように告げた。

 「涙で笑顔で、と口でいうほど簡単なものではございません。でも、夢に向かって一生懸命歩んでいきたいと思います。この組閣…1年後、半年後に大成功だったと言えるように頑張っていきたいです」

 AKB48グループは8年以上の歴史の中で、何度も「スクラップ&ビルド(破壊と創造)」を繰り返してきたが、ついにリセットボタンが押された。この事態を生かせるか否かは、メンバー1人1人にかかっている。【横山慧】