カナダで開かれていた第32回モントリオール世界映画祭で、滝田洋二郎監督の「おくりびと」が最高賞のグランプリを受賞したことが2日、日本の映画配給各社に入った連絡で分かった。

 君塚良一監督が鈴木智さんと共同脚本を担当した「誰も守ってくれない」は最優秀脚本賞を受賞した。

 「おくりびと」は、葬儀の際に遺体をひつぎに納める仕事に就いた男性を主人公に、人間の尊厳や家族のきずなを描いた作品。本木雅弘、広末涼子らが出演し、13日から全国で公開される。

 滝田監督は富山県出身。「コミック雑誌なんかいらない!」「秘密」などの作品で知られる。

 「誰も守ってくれない」は、少年犯罪とネット社会にあふれる悪意を描いたシリアスなドラマ。佐藤浩市らが出演、来年1月に公開される。

 君塚監督は「もともと脚本家でもあるので、このような賞(最優秀脚本賞)をもらったことがとてもうれしい。私の作品をモントリオールの方々と共有できて幸せです」と話した。

 モントリオール映画祭ではこれまでに、奥田瑛二監督「長い散歩」がグランプリ(2006年)、高倉健が「鉄道員(ぽっぽや)」で主演男優賞(1999年)を受賞している。